2018年3月16日
2017年度、第5回ユニバーサルデザイン研究会
2018年2月22日、2017年度の第5回ユニバーサルデザイン研究会が開かれました。
ユニバーサルデザイン研究会では、おもちゃをはじめとしたさまざまな商品やサービスの企画開発などを行なっているスタッフが集まり、チームに分かれてユニバーサルデザインを学ぶためのワークショップなどに取り組んできました。
第5回ユニバーサルデザイン研究会では、1年間の活動のまとめとして、実際に取り入れられたユニバーサルデザインのアイデアや、開発を進めた商品について発表しました。
もっと遊びやすく! 使いやすく!
遊びやすさやわかりやすさの感じ方は、身体の大きさや、利き手、年れいなどのちがいによって変わります。いろいろな人の立場にたって、すでにある商品も見直して新しいアイデアを加えていきました。
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ルービックキューブを進化させたルービックカラーブロックスは、“不規則な形を正六面体にもどす” というパズル。目が不自由でも手でさわった感触(かんしょく)で遊ぶことができるようになった(株式会社メガハウス)。
ボードゲームに使うカードの印刷を、ユニバーサルデザインガイドラインにそったものにあらため、見やすくわかりやすくした(株式会社メガハウス)。
おもちゃのデザインを左右対称にすることで、右利きの人でも左利きの人でも同じように操作できるようにした。
プラモデルのランナーの部品の並べ方を完成品と同じにすることで、取扱説明書を読まなくても直感的に組み立て方がわかるようにした。
だれにでも伝えられるように!
言葉や文化、習慣がちがっていても、どんな人にもおもちゃの遊び方、使い方、注意することなどが伝えられるように工夫を重ねています
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大人向けのコレクターズ商品などは、英語と日本語で基本的な仕様の説明をするようにした。
小さな子供向けのおもちゃでは、パーツをセットする場所などをアイコンで表示して、文字が読めなくても自然に遊べるようにした。
取扱説明書は、イラストや写真などを使い文字を読まなくても説明が伝わるようにした。
遊び方や使い方が複雑な商品は、カラーにするなど取扱説明書を改良したものをインターネットで配布したり、動画を公開するなどしてよりわかりやすくした。
バンダイのユニバーサルデザインは、つねに「今より一歩」を考えて進めています。
暮らし方や考え方、楽しみ方が、人によってさまざまに変わり異なっていく中で、ユニバーサルデザインの考え方は、“ものづくり” に欠かすことができない考え方になっています。
ユニバーサルデザインは、社会や環境の変化に合わせて変わっていくものです。これからも、ユニバーサルデザイン研究会では、バンダイらしい楽しいユニバーサルデザインのために、さまざまなことを学んでいきたいと考えています。
2017年度、バンダイの共遊玩具認定(※)は、新しく19点が加わり、これまでに認定されたものと合わせて59点となりました。
体格のちがい、言葉・文化のちがい、障がいのあるなしにかかわらず、だれでも安心して楽しめる商品作りのために努力していきます。
※共遊玩具認定についてくわしくは「バンダイのユニバーサルデザイン」をご覧ください。
2017年11月2日
2017年度、第4回ユニバーサルデザイン研究会
2017年12月14日、2017年度の第4回ユニバーサルデザイン研究会が開かれました。
今回の研究会では、講師に造形作家でイラストレーターでもある はら こうへい さんをむかえて、工作の作り方を小さな子どもにもわかりやすく説明するためのアイデアやコツを学びました。
ワークショップ「こどもに わかりやすい くみたてず の かきかた」
はら こうへい さんはイラストレイターとして活動するだけでなく、子ども向けの楽しい工作アイデアを紹介する造形作家としても活やくしています。
今回のワークショップでは、バンダイのスタッフが、はら こうへい さんの作品のひとつ「スポンジと輪ゴムでつくるロボット」を実際に作ってみて、その作り方を説明する “くみたてず” 作りに挑戦しました。
わかりやすく伝えるために大切なこと
まずは、小さな子どもに工作の方法や順番を説明するときの注意点を学びました。
- 漢字は使わない! 小さな子どもでも読めるように。
- 文章は短く! 文字が多いとむずかしく感じさせてしまう。
- 色を使って見やすく! 同じ材料をいくつか使うときには、色分けする。
ちいさな子どもが “くみたてず” を見たとき、「おもしろそう!」「やってみたい!」と思ってくれるように、文章や図の作り方に注意します。
どうすればいいのか? なにをすればいいのか? 見ただけでイメージしやすいように、なるべくイラストで表現します。例えば、「はさみできる」ときには、「ハサミで切っている」イラストを使うことで文章がなくても伝えることができます。
また、文章にするときも、子どもがふだん使っている言葉で表現できるよう工夫が必要です。
工作してみて手順を考える
バンダイのスタッフが、チームに分かれて「スポンジと輪ゴムでつくるロボット」を作ってみました。
はら こうへい さんの説明を聞きながら、自分の手で組み立てていき、どんな手順でどんなところを説明するべきか考えます。自分で組み立ててみると、まちがえやすいところや、説明しづらいところが見えてきます。
工作しながら、どんな言葉で説明するか? どんなイラストを使えばわかりやすいか? 考えていきます。
“くみたてず” を作ってみて、カンタンなことでも説明のしかたで難しく感じさせてしまったり、わかりにくくなってしまうことが良くわかりました。よりわかりやすくするためには、自分の考え方だけでなく、他の人と話し合い、意見を交換することが大切だと感じました。
「誰にでもわかりやすく!」を表現するためには、自分の感じ方だけでなく、「他の人がどう感じるか?」を想像することが重要です。
小さな子ども・大人・お年寄り、体の大きい・小さい人、力の強い・弱い人……いろいろな人の感じ方や物の見方を想像し、思いやることが、ユニバーサルデザインの基本であるということをあらためて学ぶことができました。
2017年11月2日
2017年度、第3回ユニバーサルデザイン研究会
10月4日、2017年度の第3回ユニバーサルデザイン研究会が開かれました。
今回の研究会では、チームごとに自分たちがユニバーサルデザインを取り入れて開発した商品について発表しました。
これまでの商品をチェックする
ユニバーサルデザインの取り組みは、まず、工夫してみて、使ってみることから始まります。
そして、そこからさらに「もっと多くの人にとって使いやすく、わかりやすくするにはどうしたらいいか?」を考え、いろいろな視点で見直しながら続いていきます。
5月から考えてきた商品のユニバーサルデザインの工夫をあらためてチェックして、
- 他の商品にも、同じ工夫が使えないか?
- どうしたら、多くの商品にユニバーサルデザインを取り入れることができるか?
- 自分たちの開発した商品をさらに使いやすくするアイデアはないか?
…といったことを話し合い、さまざまに意見を交換し合いました。
バンダイでは、ひとつの商品に取り入れられたユニバーサルデザインの工夫を、さらに工夫を重ねることで多くの商品に活かしていけるように研究しています。
つい、使ってみたくなるデザイン
研究会の後半では、多くの人々の間で活かされているユニバーサルデザインを見ながら、“使いやすい” だけでなく、“使ってみたくなる” デザインについて勉強しました。
「壁に穴があったら、のぞいてみたくなる」「ボタンがあったら、押してみたくなる」というように、そこにあったら自然と反応してみたくなる感覚を『アフォーダンス』といいます。
ものをデザインするときに、形や色、文字などで使い方や状態を伝えることを『シグニファイア』といいます。
この2つを組み合わせて活用することで、取扱説明書を見なくても使い方がわかったり、使うときのまちがいを防ぐことができます。
「多くの人が自然に安心して使えるものを作る」というユニバーサルデザインの取り組みは、さまざまな物の見方や考え方を取り入れて進められていきます。
2017年8月1日
2017年度、第2回ユニバーサルデザイン研究会
7月20日、2017年度の第2回ユニバーサルデザイン研究会が開かれました。
今年度になって初めて参加したメンバーもいるので、ユニバーサルデザインの基礎講座(きそこうざ)を行いました。
“今より一歩” の気持ちを大切に!
ユニバーサルデザインを進めていくには、今あるものをさらに良く、使いやすく、安全にしていくための物の見方や考え方を身につけることが大切です。
これまでにユニバーサルデザインを勉強してきたメンバーもあらためて基本を見直し、すでにユニバーサルデザインの考え方で改良した商品にも、新しい取り組みやアイデアが必要だと感じました。
→ユニバーサルデザインとは?
バンダイのユニバーサルデザインへの取り組みとは、“今より一歩” の気持ちを大切に、使う人への “思いやり” をかたちにしていくこと。体の大ききさや特ちょう、老若男女だけでなく、文化や言葉のちがいもこえられるユニバーサルデザインを目指したいと思います!
体験してみて想像してみる
目で物を見た時の色の感じ方は、人によって変わってきます。バリアントールという特別なめがねを使って、色のちがいがわかりにくい人の見え方を体験しました。
バリアントールをかけておもちゃのパッケージを見てみると、楽しくおもしろそうなデザインでも、わかりにくいところや見にくい色の組み合わせがあることがわかります。実際に自分で体験してみることで、知識としてだけでなく実感を持ってユニバーサルデザインの大切さを知ることができました。
さらに、音のユニバーサルデザインも体験しました。エレベーターの中での案内音声や踏切(ふみきり)の警告音など、さまざまな音を聞いてみると……
- 聞いただけで、危険や安全、楽しさや緊張感(きんちょうかん)が伝わる音がある。
- 音声の調子や話し方で、内容が伝わりやすくなったり、わかりにくくなることがある。
- 言葉がわからなくても、「注意!」や「危険!」を知らせることができる。
ユニバーサルデザインとして、音をさまざまに活用できることがわかりました。
色や音に加えて、光や手でさわった感触(かんしょく)など、さまざまな要素を組み合わせていくことで、おもちゃや生活用品などを、今よりもっと便利に楽しくしていきたいと思います。
2017年6月1日
2017年度、第1回ユニバーサルデザイン研究会
5月11日、2017年度の第1回ユニバーサルデザイン研究会が行われました。
できるだけたくさんのバンダイやグループ会社の社員が、ユニバーサルデザインについて学べるように、新しいメンバーでスタートしました!
出前授業プログラム「おもちゃのユニバーサルデザインを学ぼう!」を体験
2017年度ユニバーサルデザイン研究会のメンバーとして新たに集まったメンバーが、最初のワークショップとして、バンダイの出前授業プログラム「おもちゃのユニバーサルデザインを学ぼう!」を体験しました。
まず初めに、ユニバーサルデザインの基本的な考え方や、バンダイがこれまでに進めてきた取り組みについて学びました。
授業プログラムの中で、自分たちが開発してきた商品が、子どもたちに向けてどのように紹介されているのかを知ることもでき、これまでとはちがった角度から、商品を見直すこともできました。
ワークショップの後半では、『おもちゃのUDトランプ』のパッケージデザインを体験しました。
自分の手で実際に絵をかいたり、説明の言葉をかいたりしてみると、イメージどおりに伝わらないことがあったり、予想していたよりよくなったり……。ユニバーサルデザインの大切さを、知識として学ぶだけでなく、手を動かし目で見て実感しました。
「おもちゃのユニバーサルデザインを学ぼう!」は、おもに小学生向けのプログラムですが、このプログラムを体験することで、バンダイのユニバーサルデザインを子ども目線から見ることもできました。
アイデアを形にすることのむずかしさやおもしろさがわかって、これからユニバーサルデザインに取り組んでいく心がまえができました!