トップメッセージ
真のグローバル化とは?
皆さん、こんにちは。株式会社バンダイ 代表取締役社長の上野和典です。
ただいまバンダイが現在進行形で、掲げているテーマは「真のグローバル化」と「国内圧倒的No.1」。もちろんポイントは、「真の」と「圧倒的」という修飾詞にあります。
この2つの文言から、「もうバンダイって既に国内ではNo.1じゃないの?」とか「そもそもこれまでどんなグローバル化をしているの?」「二兎を追う者は一兎をも得ずになりませんか?」という疑問が頭をよぎった方もいると思うので、早速このテーマの真意を説明します。
まずは、「真のグローバル化」からお話しましょう。
創業間もない1951年からの輸出開始を皮切りに、バンダイのグローバル化の歴史は意外に長く、現在では、北米、欧州、アジア、合わせて15の海外拠点があります。
とは言っても、グローバル化の手を打ちつくしたわけではありません。まだまだ発展途上だと思っています。たとえば、東欧、南米、アフリカなどバンダイの商品が行き届いていない地域が山ほどありますから。そう、「真の」グローバル化に向けての一つ目の課題は、これまで手つかずであった地域の拡大ですね。
またこの広い世界市場において、まだまだ狭いバンダイのポジションを広げていくためには、地域という横軸に加えて、カテゴリーという縦軸の拡大も欠かせません。
たとえば、北米の玩具市場は日本の10倍規模にも関わらず、シェアは1%程度、内訳もボーイズのフィギュアが中心です。
一方、国内には商品の企画・開発を担当する部署がカテゴリーごとに11あるわけですから、こうした事業展開をグローバルにおいてもカスタマイズして実現できれば、自然とカテゴリーが増やせるはずです。これが2つ目の課題ということです。
「真のグローバル化」の戦略を一言でまとめると、地域とカテゴリーの規模を拡大することによって、世界におけるバンダイの存在感を増していくことなんですね。
国内圧倒的No.1とは?
つづいて、「国内圧倒的No.1」ですが、バンダイは世界でも類をみない独自のビジネスモデル「キャラクターマーチャンダイジング(以下、CMD)」を確立し、国内ではNo.1の地位を築いてきました。
しかし逆の見方をすれば、それ以外のカテゴリー、たとえば、スタンダードな乗り物型玩具や、人形など、キャラクターの人気に左右されないノンキャラクターと呼ばれる分野には、まだまだ伸びしろがあるということです。
そう、こうしたカテゴリーをも制覇すること、そして新カテゴリーを創出していくこと、これらに成功して初めて「圧倒的」を冠することができると考えています。
一石二鳥
勘が良い方は気づいたかもしれませんが、「真のグローバル化」「国内圧倒的No.1」は、決して別物ではなく、表裏一体の戦略なのです。二兎を追うのではなく、むしろ一石二鳥と言っても良いかもしれません。
国内市場における新カテゴリーへのチャレンジと制覇は、グローバル市場においても、商品展開においてシナジーを生み出し、事業拡大につながっていきます。そして、その逆のパターン、海外での事業拡大が、国内市場の新カテゴリー拡大につながる、ということもありえるわけです。
ここで国内外問わず質・量ともに求められるのは人材にほかなりません。競争優位の既存カテゴリーのよりいっそうの強化、伸びしろ拡大のための改革、新カテゴリーのゼロベースからの立ち上げと、タフな仕事には事欠きませんから。
その一環として、国内においても、ここ数年海外からインターン生を迎え、海外籍の人材獲得を積極的に行っています。彼らには、将来的には海外拠点での主力になって欲しいと思いますが、まずは、彼らが国内で活躍することに期待しています。彼らの影響で、自然と国内の私たちの意識がグローバルに変わっていくことを狙っているのです。
同魂異才
それでは、これらのテーマを推し進めるうえで、これからのバンダイが求める人材像はどのように変わっていくと思いますか?
社名の由来である「萬代不易(永遠に変わらないもの)」とはよく言ったもので、私たちの求める人物像はこれまで通り「同魂異才」から揺らぐことはありません。
「同魂異才」のキモは自主独立。つまり一人ひとりが独立していること。バンダイの文化は、「魂さえ継承してくれれば、やり方は好きにして良いよ」というものですが、これは自主独立が前提となっているからです。何でも自分でできる人でなければ、最後まではまかせられませんから。
そして、この自主独立は、グローバルに活躍するためには欠かせない要素でもあるのです。世界を舞台にすると、当然異文化とのコミュニケーションが求められます。その際、自己が確立できていなければ、そもそも土俵に上がれず、立ち往生ですから。
そういう意味では、自主独立の精神を備えてさえいれば、「才」についても、入社前に完璧に備えていなくてはならないものだとは思っていません。皆さんが何かしらお持ちの「才」の芽が、自主独立の精神でもってバンダイ生活を過ごす中で、見いだされ、磨かれ、皆さん一人ひとりの「異才」となっていくものでしょう。
バンダイの魂を継承し、世界で花開かせることができる、そんな皆さんのチャレンジをお待ちしています。