アンケート結果

1999年6月 お子さまに言うことを聞かせたいときにする事はなんですか?

調査概要

調査方法: 雑誌や新聞等でのハガキ及びインターネット上でのアンケート付きプレゼント企画の応募ハガキよりランダムに抽出
  実施期間: 1999年6月
  質問内容: こどもに言うことを聞かせたい時どうしますか?
  有効回答数: 285人

年齢内訳
0~2歳 72人
3~5歳 60人
6~8歳 27人
9歳~ 8人
---------------
計 167人


年齢内訳
0~2歳 40人
3~5歳 64人
6~8歳 14人
9歳~ 0人
-------------
計 118人




  
『こどもに言うことを聞かせたい時どうしますか?』

言うことを聞かせたいときにすること (285人中 複数回答含む)


※1「言うことを聞かないとおばけが来るよ!」 「お父さんにいいつけるよ!」など
※2「○○してくれたらおやつをあげる」など
※3「いい子にしてないとサンタさんが来ないよ!など」
※4「○○だったらすぐにやってくれるよ!」など

こどもを叱る方法 (1998年6月調査 600人中複数回答含む)



 
調査結果概要1

 「こどもに言うことを聞かせる方法」と1998年6月にアンケート調査した「こどもを叱る時と方法」を比較すると、1位は両方とも「言って聞かせる」となった。
 こどもを叱る場合は、こどもが危険なことをしたり、誰かをいじめたりというような理由が多いため、2位以下は「たたく」「大声で怒る」など、即効性のありそうな方法が並んでいた。しかし、言うことを聞かせたい場合は、1位の「言って聞かせる」をはじめ、時間を欠けてでも"ことば"で言うことを聞かせるようにする方法が多い結果となった。

 全体を通して「こどもを叱る時」ほど理由がヘビーでないせいか、ほめてやらせたり、架空の話を持ち出したり、好きなキャラクターを活用したりと、怒らず楽しく言うことを聞かせる方法が目立った。
 全体を通して、こどもに言うことを聞かせたい場合も、親子のコミュニケーションを大切にしている様子がうかがえた。
 ちなみに今回の結果では、年齢差や男女差はほとんど見られなかった。
           
※このアンケートレポートに関して「こども調査研究所」の渡辺尚美さんから以下のコメントをいただいております。

こどもに言うことを聞かせたい時にすること

 一般的に、だますこと、ウソをつくことはいけないこととされていますが、実は毎日の生活はそんなに真正直にばかりできてないことくらい、こどもだって薄々わかっているものです。大人の都合で言うことを聞かせようとする時に、データにあるようにあの手この手で攻めてくることを、こどもたちは体験として知っているからです。
 ドキッとするようなことを言った後に「ウソだピョーン!」とかわす術を多くのこどもが知っているのは、多分大人から伝授されているからでしょう。そうする中で、こどもたちは、「ウソだピョーン!」が許される相手や話題を選ぶことを学んでいきます。よい人間関係とは、こうした軽妙なかけひきが許される関係ではないかと思います。
 少し気になるのは「物で釣る」「交換条件を出す」という回答が少なくないことです(合計すると全体の22.1%)。「条件や課題をクリアしたら満足が与えられる」ということは、少しきつい言い方をすると「命令に従えば愛情が得られる」「命令に従わなければ愛情が得られない」という関係性をこどもたちに刷り込んでしまう危険性があります。親子のかけひきの一つとしてたまに使われるのであれば、それほど問題はないと思いますが、毎回のように多用されると子だもたちは、愛を服従と交換にしか得られないものであると感じてしまうことがあるのです。「いい子にしていたら」「水泳で○メートル泳げたら」「テストで100点とったら」・・・。大人にそんなつもりがなくても、条件つきでしか愛情を得られないとこどもが感じてしまうことがあることを、知っておく必要があるのではないでしょうか。
 そして、真剣な話は真剣にやりとりでき、また別の時にはお互いに上手にだましたり、上手にだまされたりすることができる、そんな親子関係を目指すことが大切なのだと思います。