アンケート結果

2002年5月 お子様にご褒美をあげる時は?

調査概要

調査方法: 雑誌や新聞等でのハガキ及びインターネット上でのアンケート付きプレゼント企画の応募ハガキよりランダムに抽出
  実施期間: 2002年5月
  質問内容: お子様にご褒美をあげる時は?
  有効回答数: 3,109人(ハガキ1,735人、ホームページ1,374人)

年齢内訳
0~2歳 366人
3~5歳 630人
6~8歳 398人
9~11歳 251人
12歳~ 56人
---------------
計 1,701人


年齢内訳
0~2歳 347人
3~5歳 454人
6~8歳 355人
9~12歳 218人
12~15歳 34人
-------------
計 1,408人




  %はその人数÷回答数で、その遊びを伝えたい家族(親)の割合 いずれも複数回答あり
『雨の日の楽しい過ごし方は?』

男児全体集計 (回答人数1,701人 回答数2,505)


女児 全体集計 (回答人数1,408人 回答数2,068)


男女 年齢別集計結果
%はその人数÷回答数で、その遊びを伝えたい家族(親)の割合 いずれも複数回答あり


 
調査結果概要1

男児、女児共に1位は「お手伝いをした時」

 今回のアンケートでは、男児女児ともに「お手伝いをした時」が1位となった。年齢別に見ても男女それぞれ1位となっている。お手伝いをするのも、頼まれてではなく、こどもたち自身が自発的にお手伝いをした時の方が、親たちにとって嬉しいようだ。
 また、「勉強で頑張った時」「スポーツで頑張った時」など、何かを「頑張った時」にご褒美をあげるのという回答が、年齢があがるにつれて多く見られた。小学校入学後は特にこの傾向が強く、できれば文武両道で頑張って欲しい、という親の願いが感じ取れる。ちなみに、男女ともに「勉強」よりも「スポーツ」で頑張った時の方が、褒美をあげるという親が多かった。

調査結果概要2

「誕生日」も上位に
すくすく育っていることや、年に1度まとめてあげるご褒美として

 「誕生日」は、女児で2位、男女総合で2位に入っている。年齢別で見ると0~2歳が特に多い。これは、親たちが生まれて間もないこどもたちがすくすくと育っていることに対する喜びをプレゼント(ご褒美)している、という回答が多いようだ。「笑った時」「よく寝ている時」「言葉を理解してくれた時」「甘えてくれた時」といった幼児相手ならではの回答も多く見られた。
 また、普段はご褒美をあげずに誕生日に1年分としてまとめてあげるという家庭もあった。
 また、特にアンケート項目にはなかったが、何をあげるかについても併せて意見が寄せられた。こどもの欲しいものをあげたり、ほめてあげたり、抱きしめてあげるなど、それぞれの家庭の特色が見られ、大変興味深かった。また、実際にこんな時にご褒美をあげたというエピソードも多く寄せられたのが印象的だった。


調査結果概要3

このアンケートについて「こども調査研究所」渡部尚美氏から
コメントをいただいております

 「ごほうび」は感謝の気持ちのあらわれとして、モノだけでなく言葉や気持ちで伝えられることのあるものではないでしょうか。
 ゲーム「ポケットモンスター」(任天堂)は、プレイするこどもに大小たくさんの精神的ごほうびを与えてくれることが、絶大な人気を得た大きな要因です。モンスターとの闘いの中で「こうかはばつぐんだ!」「きみはポケモンのさいのうがあるよ」などのセリフが頻繁に表示されます。そして旅をすすめていくことで仲間ポケモンは、幼虫からさなぎ、さなぎから成虫へ成長し、劇的に強くなっていきます。そして敵であったポケモンですら主人公の強さに敬服した証として次々に仲間になっていきます。
 これら一連のゲーム要素は、すべてプレイヤーを「きみはすごい」「きみは強い」「きみの仲間にしてくれ」と褒めてくれることの連続で構成されているのです。いわば全面的な生の肯定という「心のごほうび」をたくさん得ることができる魅力によって、
多くのこどもたちの心の飢えを満たしてくれたのです。
 幼児期までは「うちの子天才」と思っていた多くのご両親も、
こどもが小学生になる頃には「まあ、私とあの人の子だからねえ…」などと各家庭のかつての天才くんは持ち上げられたと思ったら、地面に落とされていたりします。

 もともとこどもの誕生日などのプレゼントは、「ここまで健やかに成長してくる間に、君の存在や笑顔が周囲をどれだけ幸福にしてくれたか」喜び感謝することの表現として与えられてきました。しかし、儀礼的に「誕生日はプレゼントがもらえる日」「イベントを盛り上げるためには欠かせない大きな演出要素」「取り引きのように(例えばいい子にしていたら)引き替えにもらえるもの」などと、あげる方ももらう方も、もうひとつ心や感謝のことを置き忘れてしまいがちであったら、何か空疎なものをこどもたちは察知します。
 また、どういったことで褒められ、どういったことでは褒められないのかを経験することで、こどもたちは「どう生きることを望まれているのか」を知っていきます。「やさしくしましょう」「友だちと仲良くしましょう」…スローガンとしては誰も異論はありませんが、具体的にはどういう状態をよいとするのかがわかりません。むしろこどもがやさしさを発揮した場面誰かと仲良くしている場面を目撃したら、大人は照れずに「今の君、いい感じだったよ」と言ってあげるのも、大切な「心のごほうび」なのではないでしょうか。
 モノをあげるだけで満足しないでください。あるいは、モノをあげることを抑制するだけで満足しないでください。こどもたちが本当に欲しいのは、「君はそこにいるだけで誰かを幸せにしているんだよ」「君のこういうところがとても好きだよ」といった、無条件の存在肯定や望まれる生き方に合致する点を褒めてもらうなどの「心のごほうび」なのです。もちろんこどもが、モノという形のごほうびを欲しがるのはまちがいありませんが、あくまでこどもの存在や行いへの感謝や肯定に支えられていることが伝わることの方が、優先されることのように思います。