忘却に立ち向かい 失われた過去を取り戻せー「アニマギア6」2020.12.14発売

STORY アニマギアの世界観

EPISODE 40

フェニックスネオギアスに紅葉サクラが連れ去られてから、早二ヶ月が経とうとしていた。

この短期間に、ゴウギアスとドラギアスという二体のエンペラーギアを撃破したことは
確かに喜ばしいニュースだ。
加えて、長年不在だったレオスが相棒である飛騨ソウヤの元に戻ってきたのも大きい。
打倒獣甲屋を掲げる者達にとって吉報が続く期間ではあった。

しかしそれらのニュースをもってしても、天草キョウの焦りを拭い去ることは出来なかった。

なにも周りが悠長に構えていたわけでもない。
ソウヤも。コノエも。ヤマトも。
サクラに関わっていた誰もが焦り、この二ヶ月のあいだ必死に捜索を続けている。
だがそれ以上にキョウは焦っていた。
それほどまでに、キョウは自分の知らぬ間にサクラが敵陣へと連れ去られたことが、
相当なショックだったのだ。

そんな折だ。
修理中のレオスから、獣甲屋の拠点の位置を覚えているという話が飛び出した。
あくまで複数ある拠点の一つだけだとは言うが、
行き詰まっていたキョウ達にとってこれ以上なく有益な情報である。

さらに興味深いのはそこで出逢った一体のアニマギアの話だ。
その施設で少女のような型のアニマギアが囚われていたらしい。
それが、写真で見た紅葉サクラと近しい雰囲気を持っていた—
—というのが脱出の手助けをしたレオスの所見である。

サクラと似ていて、獣甲屋に囚われていたという共通点。
それは、焦るキョウが走り出すなによりの理由になる。
キョウは周りの静止にかまうことなく、脇目も振らずモミジテクニクスを飛び出していた。
目的地は無論、レオスから聞いた獣甲屋の拠点だ。

ガオー「お、おい!キョウ、一人で飛び出して良かったのか!?」
キョウ「サクラ姉ちゃんが捕まってもう二ヶ月経つんだ!
たとえ少しでも、手がかりがあるなら動かなきゃ......!」

件のアニマギアがすでに脱出したあとだとしても、サクラにつながる何かが残っているかも知れない。
その可能性があればこそ、立ち止まる訳にはいかなかった。

ガオー「そうか......そうだよな!おっし、こうなりゃとことんだ!」

ガオーもキョウの気持ちを察しているからか、強く止めることはなく、むしろ協力的な態度だ。
ガオーが自分と同じ気持ちでいてくれる。
そのことが妙に嬉しくて、キョウの頭に昇っていた血がスッと引いていく。

キョウ「サンキュー、ガオー!早くサクラ姉ちゃんを見つけてみんなを驚かせような!」
ガオー「なんでお礼を言われたのかわっかんねーけど、みんなを驚かせるのは賛成だぜ!」

冷静さを取り戻したキョウは、ガオーと共に目的地へ急ぐ。
すると、道中にいた一体のペンギオスが、慌てた様子でガオーに声をかけてきた。

EPISODE 40

ペンギオス「ようやく見つけたゼ!キョウさん達を探してるアニマギアがいるんだヨ!」
ガオー「なんだってぇ?悪いけど、いまそれどころじゃねえんだけどな」
ペンギオス「そう邪険にしないでくれヨ。何日も前からチームペンギオスで匿ってんだからサ!」
キョウ「キミ達が匿ってるの?何日も前から?」
ペンギオス「そうそう!なんでも他の人には伝えずに、まずキョウさん達に会いたいんだって、
女の子みたいなアニマギアが無理いって聞かねえのヨ。あまりにもカワイイもんだからオレらも骨抜きでサ、
なんてえの?守りたくなるっていうか?そうだな——」

キョウ&ガオー「——女の子みたいなアニマギアだって!?」

ペンギオスに案内されて辿り着いたのは、キョウ達が住む街と隣町を隔てる河川敷のそばにある廃屋だった。
レオスが言っていた獣甲屋の拠点にも近い。
探していたアニマギアがそこにいると確信するには十分だった。

そして、数体のペンギオスに囲まれてたたずむそのアニマギアを見た瞬間、キョウは驚いた。
本当に、その姿が紅葉サクラに似ていたからだ。

EPISODE 40

驚きはそれだけにとどまらない。

???「......キョウくん、だよね?」
キョウ「ッ!その声、まさか——」

目の前のアニマギアの声が、聞き馴染んだ少女の声と全く同じだった。
ありえないと思っていても、キョウの直感が“間違いない”と告げている。

キョウ「——サクラ姉ちゃん......なの?」

サクラ「............うん、そうだよ。私、紅葉サクラだよ」

会いたかった。
そう告げる彼女の声は、とても喜んでいるようには聞こえない。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 39

ソウヤは泣き出したくなるのをぐっとこらえた。
自分を守ると言った“相棒”の想いに応えたい。
数え切れないほどの苦悩を背負ってきた彼の小さな背中に並ぶならば。
涙なんかよりも、もっとずっと相応しい表情があるはずだ——そう思った。

ソウヤ「......行くよ、レオス!」

だから立つ。
レオスに相応しい相棒になるために立ち上がったソウヤの目に迷いはない。
レオスは小さく頷くと、ソウヤの構えた掌の上になにも言わずに飛び乗った。
なつかしい、と思ったのはソウヤだけじゃないはずだ。
かつて一緒に戦っていた時は、いつだってレオスはこの体勢から飛びだしていたのだから。

レオス「うおおおおおおッ!」

掌から相棒がドラギアスに向かって飛翔した。
ただ黙って見ている敵ではない。近付くレオスに向かって何度も槍の先端から火球を吐き出していた。

ソウヤ「すごい......!」

レオスの背中のブースターが光る度に、目にも留まらぬ速度で直線的に移動していく。
稲妻のような軌跡を描きながら、レオスは的確に敵の火球を弾き飛ばした。

ドラギアス「オニキス、それが貴様本来の姿だというのなら失望したぞ。
破壊だけを求めた暴力の権化のような貴様はどこに行ったというのだ......ッ!」

しかしそれはドラギアスの術中にはまった結果らしい。
ドラギアスはレオスと同等か、それ以上の速度で宙を蹴り空を駆けた。

ドラギアス「あまりにもッ!ぬるいッッ!」

火球によって軌道を制限されたレオスに、
ドラギアスは自ら突っ込むことでレオスをはたき落として見せたのだ。
真っ逆さまにレオスが地面へと吸い込まれていく。

ソウヤ「ギガトプス!レオスを!」
ギガトプス「了解であります!!」

ソウヤの指示が飛ぶなり、ギガトプスは瞬時にタンクモードへと変形し、
地面に激突する寸前だったレオスを背中で受け止めた。

レオス「くそ!まだだッ!」
ソウヤ「レオス、待って!」

無理矢理立ち上がり、飛び出そうとしたレオスをソウヤが静止する。
止められた意図が分からなかったのか、レオスは強ばる身体のままソウヤを見上げた。

ソウヤ「流石はエンペラーギアだ。僕らだけじゃ勝つのは難しいよ——」
レオス「ソウヤ......くん......?」

進化し姿が変わったレオスといえど、エンペラーギアを前に相棒が勝つビジョンはソウヤには見えなかった。
しかしソウヤの瞳の奥には、むしろ希望に満ちた光が宿っている。
勝てないのに、なぜ。
そんな疑問に答えるように、ソウヤが言う。

ソウヤ「——でも、キミはもう一人じゃないんだ、レオス」

その言葉を証明する光景がソウヤの視線の先で生まれた。
宙に浮かぶドラギアスに、合体が解除された五体の小さなペンギオス達が果敢に突進していくのだ。
無論、ドラギアスはそれを容易く退けていくが、ペンギオス達は諦めることなく何度も繰り返し攻撃していく。

ドラギアス「なんだ貴様らぁ......雑魚どもが我らの一騎打ちを邪魔するなァ!」

ペンギオスA「残念ながらエンペラーギアのこだわりに付き合う道理はねえのヨ!」
ペンギオスB「こちとら街の平和を守るためなら手段を選ばねぇサ!」
ペンギオスC「たとえ合体が解けようと!オレらの身体は小さくても!」
ペンギオスD「忘れちゃならねえことが一つあるヨ!」
ペンギオスE「オレらは、誇り高きチームペンギオス!数で街を守る、正義の味方だってことサ!」

その叫びと同時に、敵の背後に新たに大量の影が現れた。ペンギオスだ。
一体一体は小さな影だが、それらは跳ねるように飛びかかりながら合体していく。
瞬く間に、四体のユナイトペンギオスがドラギアスを取り囲むように肉薄していた。

ペンギオスA「オレらも黙っちゃいられねえ!放熱は済んでるよなァみんな!?」
ペンギオスB〜E「おうよ!!」

啖呵を切った五体のペンギオスも、熱に充てられたように雄叫びを上げて再び合体した。

ユナイトペンギオス×5「エンペラーギアを確認。戦闘モードに移行します」
ドラギアス「——ッハハハハ!良いだろう、理解した!!!!
どうやら、貴様らまとめて我が炎に消し炭にされたいらしいなああああああッ!!!」

ユナイトペンギオスとドラギアスが激しい攻防を始めるのを、ソウヤはレオスと共に見ていた。

ソウヤ「もう一度言うよ。レオスはもう一人じゃないんだ。僕とキミの二人だけでもない。
共に戦う仲間が、こんなにもいる......!」
ギガトプス「私のことも覚えておいてほしいのでありますな!」
レオス「......みんなの想いに応えるために、ボクはどうすればいい。教えて、ソウヤくん」
ソウヤ「それをこれから僕と一緒に探すんだ。だから、その一歩を踏み出そう!」

EPISODE 39

ドラギアス「所詮は雑兵よなぁ!!」

ドラギアスは五対一の状況を物ともせず、その槍で軽々しくユナイトペンギオスをいなしていく。
だが。

ソウヤ「ペンギオス!!5秒でいい、ドラギアスの動きを止めてくれ!!!」
ユナイトペンギオス「命令を受諾。対象を捕縛します」

ソウヤの指示があってすぐ、ユナイトペンギオス達は攻撃を捨てた。
代わりに、その頑丈な肉体を壁にしてドラギアスを捕縛する。
宙を自由に飛び回っていたドラギアスが、大地に縫い付けられるように身動きを封じられていた。

ドラギアス「ええい!鬱陶、しい、ぞ......ッ!!」
ソウヤ「いまだ、レオス!!」
ドラギアス「なに、この状況で......!?」

ドラギアスの周囲はペンギオスが囲んでいる。攻撃する隙間などどこにもないはずだ。
否、一点だけある。

ドラギアス「上か......ッ!!」

そこに、中空から大地に向けて仰々しい銃口を構える黒獅子がいた。
右腕にギガトプスの装備を付けた、カスタマイズされたレオスだ。

ギガトプス「名付けて、レオス:ギガエクスターミネイションであります!!」

EPISODE 39

レオス「行くぞッ!!!」

レオスが射撃を開始すると同時、ユナイトペンギオス達はドラギアスを残して四散する。

ドラギアス「雑兵のパーツでカスタマイズしたところで、このエンペラーギアである我がやられるはずが...
...ぐううおおおおおッ!!??」

ドラギアスの予想を裏切るように、超高出力のレーザーとミサイルの雨が降り注いだ。

ソウヤ「今のレオスの出力と、ギガトプスの装備があれば......!」
レオス「うおおおおおおおおッ!!!」
ドラギアス「こ、の......く......認めんぞぉおおおおおおッ!!!」

レオスの一斉射撃が終わる頃、そこには戦闘不能となったドラギアスヘルが残っていた。

ドラギアス「みとめん......みとめん、ぞ......われ、は......」

あれだけの攻撃を受けて尚、消滅せずに意識すら保っていることにソウヤも驚いたが、
これ以上ドラギアスが暴れることはもうないだろう。
ソウヤだけでも、ギガトプスだけでも、ユナイトペンギオスだけでも為しえない。

レオスだけでも、決して到達できなかっただろう。
皆がいたからこそ、エンペラーギアに勝利できた事実を、この場にいる誰もが疑っていなかった。

ソウヤ「おかえり、レオス」

だから、もう一度飛騨ソウヤという相棒の手を取ることに、レオスも一切迷わなかった。

レオス「——うん、ただいま、ソウヤくん」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 38

自分を庇うように現れた人間。
ドラギアスヘルが放つ炎。それを背中で受ける少年を見て、オニキスの思考回路がわずかに揺らいだ。

——いつも“ボク”の前に現れる、この人間は誰だ。

不思議と、この人間を見ると頭が痛くなる。
なぜ、こんなにも心が引き裂かれそうになるのだろう。

なにも分からないまま、ただ目の前で炎に耐える人間を見つめることしか出来ない。
なにも分からない。
目の前の人間が誰なのか。
それどころか、自分は一体何者なのか。

——どうして、戦ってるんだっけ。

覚えているのは獣甲屋への憎しみだけだ。
理由などとうの昔に忘れ去ったが、その感情だけが心の奥深くに刻まれていた。

なぜ、自分が獣甲屋をこんなにも憎んでいたのか、その理由は一体何だっただろうか。
FBSの影響で記憶回路にバグを抱えて以来、過去のことをここまで鮮明に思い出すことなどなかった。

●●●「今度こそ、僕がキミを守る......レオス......!」

だが、この声が。
傷付きながらも“ボク”を守ろうとする、この少年の姿が。
オニキスのノイズがかかった思考を鮮明にしていく。
失われていた理由を、オニキスは取り戻そうとしていた。

オニキス「............守る」

かつても同じ言葉を耳にしたことを、彼は覚えている。

オニキス「誰が......いや......ボクが、言ったのか?ぐ......ッ」

守る。
その言葉をトリガーに、頭に激痛が走った。
優秀なアニマギア。優秀な司令塔。
二人がそんな風に呼ばれ出してから、間もなく現れたのが“黒い男”だ。

『............ス............レオス............ッ!』

獣甲屋を名乗るその男が連れてきた暴走アニマギアの大群に、当時の自分はまったく歯が立たなかった。
傷付き倒れる●●●を目の前に、自分もまた動くことが出来なかったのだ。
そうして、“ボク”は獣甲屋へと連れて行かれた。

薄暗い獣甲屋の施設で、黒い男が薄ら笑いを浮かべて言う。

『キミほどの優秀なアニマギアを探していた』

男の声を思い出す度に、頭痛がひどくなる。

『FBS(フォビドゥンビーストシステム)はまだ開発段階でね』

頭痛がひどくなれば、記憶が鮮明に蘇る。

『臨床実験が必要なんだが、並のアニマギアでは耐えられずに壊れていくばかりだ』

抜け落ちた大切な何かを。

『キミは、果たして無事でいられるかな』

この痛みが思い出させてくれる。

『●●●という少年が真に実力者であるならば。
恐らく、キミは素晴らしい結果を残すことだろうね』

............●●●?
●●●とは、誰だ。

●●●「キミがどんな姿になっても......キミが過去を失っても、
僕は絶対にキミを忘れない......僕は......僕だけは......!」

ずっと、キミの味方でいる。

炎を背に受けて、呼吸すらままならないはずだ。
だというのに、目の前の少年は涙を流しながら絞り出すように“ボク”に語りかけてくる。

この顔は、“ボク”が獣甲屋の暴走アニマギアに破壊されていった時と同じだ。
動けなくなった“ボク”が、黒い男に捕まった時に、涙を流していたあの“少年”だ。

EPISODE 38

オニキス「この少年は......キミは...誰なんだ......」

ドラギアスヘルが放つ炎の奔流が収まった頃、よろめいた少年が音を立てて倒れた。
しかし、彼の目は死んでいない。
起き上がる力も残っていない少年は、伏せたままドラギアスヘルを睨みつけている。

ドラギアス「なんだ...?その目は......崇高なる聖戦を愚弄するか、人間!」

ドラギアスはようやく炎がオニキスにあたっていないことに気付いた様子で、不服そうに右手の槍を振りかざした。

ドラギアス「良いだろう!ならばその首、オニキスの前に叩っ斬るとしようかぁあああッッ!!」

ドラギアスヘルが上空から急接近を始めると、オニキスの思考回路がオーバークロックを起こした。
異常なまでの思考速度が、周囲の光景をスローモーションに変えていく。

やめろ。
やめてくれ。
彼を傷つけるな。

縋る思いで周囲に目を向けた。
いつの間にか、ペンギオスの合体状態が解除されている。頼れる状態ではなかった。
ギガトプスもこちらに向かって駆けだしているが、ドラギアスの方が確実に速い。

オニキス「彼、を、傷つけ......るな......ぐああああっ!」

痛む。痛む。痛む。
記憶が蘇るにつれて——失ったモノを取り戻していくにつれて、
オニキスの頭痛は耐えがたいモノへと代わっていく。
すべてがゆっくりと進む光景の中で、オニキスの全身の回路が焼き切れそうな程に熱くなっていく。
FBSの反動、だろうか。
憎しみから来る内なる炎が、自我さえも吹き飛ばそうとする痛みとなってオニキスを苦しめる。
憎しみだけが、オニキスを動かす原動力。
だからこそ、そのツケがいま回ってきていた。

......違う............!

オニキス「......ボクが、失いたくなかったモノ......ッ!」

そうだ。
そんなモノが、一つだけあった筈だ。

こんな自分に残る、たった一つの大切なモノを忘れたくなかった。
だから記憶が鮮明になるにつれ増していくこの痛みに、
無意識の内に抗ってきたのではないのか。

オニキス「ボクが......ボクが守りたかったモノ......」

自分が戦う理由は、憎しみなんかじゃない。

オニキス「ソ......ソウ、ヤ............」

瞬間、あれほどまで苦しんでも思い出せなかった“彼”の名前を、“ボク”は自然と口にしていた。

オニキス「............ソウ...ヤ...く............!!」

その名前を口にした瞬間、目の前で傷つき倒れている“彼”は驚きの表情を浮かべた。

自分にとって大切な何かが目の前にあるに違いない。
しかし、どうしても思い出せない。

FBSのプログラムが思考回路へと激痛を与え、記憶の再生を邪魔していた。
彼を見る度に走るその痛みは、もはやオニキスの思考回路を崩壊させようとしている。

そしてオニキスが痛みに抗うその最中だ。
ドラギアスの槍に収束された爆炎が、今まさに“彼”に向けて放たれようとしていた。

オニキス「キミは...誰なんだ...ボクにとって......キミは...キミは......ッ!!」

この問いに対して“彼”は静かに微笑んだ。

●●●「レオス...僕は...ずっと...ずっとキミの友達だ...」
オニキス「............っ」

この優しく暖かい笑顔をどこかで見た記憶がある。

それは、まだ自分が生まれたばかりの頃。
自分を手にした少年の顔だ。

EPISODE 38

『僕の名前はソウヤ。今日からずっと友達でいようね、レオス!』

そうだ。
自分がどこで生まれ、どこで育ったのか。
誰と共に過ごしたのか。
どんな風に、過ごしてきたのか。

痛みを超えた先で、大切な少年の笑顔と失われていた記憶が鮮明に蘇っていく。
瞬間、オニキス——否、レオスのブラッドステッカーが、激しく明滅する輝きを放った。

コノエ『この光......ムラマサの時と同じ......!!?』

どうして思い出せなかったんだ。
決して忘れてはいけなかった、この記憶を。
自分にとって、誰が本当に大切な存在なのかを。

——ソウヤ......ああそうだ......彼だ......彼がボクの......!!!

しかし、激しい光を放つレオスを気にも止めずに、
ドラギアスはソウヤの命を奪おうと容赦なく炎を放った。

レオス「や、め、ろおおおおおおおおおおおおッ!!」
ドラギアス「な......ッ!?」

レオスが両腕に構えていた武器が瞬時に組み代わると、展開したブースターが蒼炎を吐き出す。
そのままドラギアスヘルに全速力で突っ込んだ、
激突した二体のアニマギアを中心に衝撃が走り、土煙があたりを覆い尽くす。

レオス「ごめん......キミをこんなに傷つけて......ボクはパートナー失格だ......でも」

その煙の中で、レオスは静かにソウヤの前で立っていた。

レオス「今度こそ、ボクがキミを守る......ソウヤくん!」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 37

度重なるエンペラーギアの出現に、ABFは以前から開発していたユナイトペンギオスを街中に配備していた。

大量の配備を容易にするために小さな個体とはなっているが、
有事の際には合体することでエンペラーギアと互角に渡り合うことの出来るアニマギアである。

その複雑な機構ゆえに開発が遅れていたが、キョウが回収していたライギアスのニックカウルを分析することで、
早期の実戦投入が可能となったらしい。

バイスとシュバルツの合体機構や効率よく電気エネルギーを攻撃に利用する技術は、
形を変えて平和を守るために使われていた。

ソウヤ「——それで、ペンギオスが配備された途端現れたのか、エンペラーギア!」

ユナイトペンギオスが黒いエンペラーギアと戦っているという報告を受けると、
ソウヤは素早く装備を調えて飛び出していた。
隣にはバスターギガラプトではなく、ペンギオスと同じく新型の青いアニマギアがいる。

ギガトプス「まったく、タイミングが良いのか悪いのか判断に悩むところですな!」

ラプトは現在コノエの手によってラボで調整を受けている。
その代わりに、テスト運用を兼ねて貸し出されたのがこのタンカーギガトプスだ。

ソウヤ「タイミングは良かった、というべきなんだろうね......僕らも急ごう!」
ギガトプス「了解であります!」

そして、現場へと到着したソウヤ達。
目の前でペンギオスと刃を交えているエンペラーギアを見て、ソウヤは驚きの声をあげる。

ソウヤ「あれは、ブレイズドラギアス......なのか!?」

思わず疑問形になったのも無理からぬことだ。
姿は確かにブレイズドラギアスヘルだったが、動き方がまるで違う。
スタジアムに現れた時は、荒々しくはあってもどこか気品が備わった戦い方だった。
だが今、ペンギオスに向かって繰り出されているのは、
まるで怒りを周囲に叩きつけるかのように暴れるだけの稚拙な攻撃だ。

ソウヤ「最近暴れていた噂の黒いアニマギアはドラギアスのことだったのか......!?」

ドラギアス「ウォオオオオアアア!!!邪魔だああああああッ!!」
ペンギオス「対象の攻撃力増加を検知。危険です。離れてください。危険です。離れてください」
ソウヤ「いけない!ギガトプス、ペンギオスの援護に回るんだ!」
ギガトプス「サー・イエッサー!!」

EPISODE 37

振りかぶったドラギアスヘルの槍を、ペンギオスが受け止める。
その隙にギガトプスが敵に射撃を浴びせると、ドラギアスヘルが硝煙を振り払って叫んだ。

ドラギアス「我が覇道を邪魔する狼藉者は貴様かぁああああああッ!?」

ペンギオスとギガトプスが互いに連携し合い、暴れるドラギアスをいなしながら戦いを繰り広げていく。
しかし2対1の状況でも敵が怯む様子はまったくなく、こちらも決定打が与えられないままでいた。
そんな折りに、ソウヤの端末にコノエからの緊急通信が繋げられた。

コノエ『ソウヤ君、大変だよ!そっちに急接近する敵性反応あり!
1体だけだけど、暴走してるみたい......多分、噂の黒いアニマギアだよ!』
ソウヤ「え!?でも黒いアニマギアはいま目の前に......うわ!」
ギガトプス「なにごとでありますか!?」

爆音とともに、突風のように駆け抜けた影がドラギアスヘルを横殴りに吹き飛ばした。

ドラギアスヘル「ハ、ハハハ!現れたか!!」
???「WARRRRRRRRRRッッ!!!!」

EPISODE 37

ソウヤ「オニキス......!!」

ソウヤは自然とその名を口にしていた。
黒いアニマギアは2足歩行型で、ソウヤの知る姿とはまるで違う。
だが、ソウヤは確実にそれがオニキスであることを感じ取った。
答え合わせをするように、ドラギアスヘルが黒いアニマギアに槍の先端を突きつけた。

ドラギアス「オニキスゥウウウ、探したぞ......!貴様と決着をつけなければ、
我は前に進めぬのだ......我が覇道のために!!!」
ギガトプス「ソウヤ殿、いったいどうすれば......!」

迷う暇はない。

ソウヤ「ギガトプス、全力でオニキスを援護だ!
コノエさん、ペンギオスの標的からオニキスを外せますか!?」
コノエ『おっけー、まっかせてー!』

更に展開する激しい攻防は、いまや超変則的な勢力争いに発展している。
いうなれば2vs1vs1。無差別に攻撃してくるドラギアスヘルとオニキス。
そしてドラギアスヘルを標的に動くペンギオスとギガトプス。
地面に次々と穴が空いていくが、そのほとんどがオニキスとドラギアスヘルの攻撃によるものだ。
その最中、ドラギアスヘルはオニキスが生んだ僅かな隙を見逃さなかった。

ドラギアス「時は満ちた!いまこそ、どちらが強いかハッキリするだろう!!オニキスゥウウ!!!」

ドラギアスヘルの槍が妖しく燦(きら)めき、先端から竜の吐息を思わせる轟炎が吹き出した。

コノエ『ソウヤくん!?』
ギガトプス「ソウヤ殿ォオオオオオオ!!」

それを見て固まるオニキスを庇うように、ソウヤが炎の前に立ち塞がっていた。
ソウヤ「今度こそ、僕がキミを守る......レオス......!」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 36

雨の中、人通りのない深夜の街を弱々しい足取りで進む。
目が覚めた後、自分を外に連れ出してくれたのは黒いアニマギアだった。
すぐに黒いアニマギアは姿を消したが、いまなら逃げられると駆け出したのが数時間前だ。

サクラ「......」

なぜだか大きく見える街。
いつもと違う光景の中、重い足を引き摺るように歩くのは、紅葉サクラだ。
14歳。
父は二足歩行アニマギア研究の第一人者である紅葉ヤマトで、母は既に亡くなっている。
自分のパートナーはデュアライズカブト。
ムサシと名付けた。

サクラ「......うん、大丈夫」

昔のことは思い出せる。
ひどい頭痛と共に、サクラは曖昧になりそうな自分の記憶を、何度も何度も確認していた。

サクラ「それなら」

もっと昔のことはどうだろう。
この街に越してきて間もなく、話しかけてきた男の子がいたはずだ。
名前は、

サクラ「天草、キョウくん」

そう、彼だ。
サクラが引っ越してくる直前にこの街に来たという、小学5年生の男の子。
自分がまるで弟みたいに思っている彼は、10歳までなんとアフリカのサバンナにいたらしい。
内向的な性格をしていたサクラだったが、その話を聞いてすぐに彼に興味を持った。

サクラ「キョウくんが興味を持っていたのは、私よりもムサシだったっけ」

彼はずっとアニマギアと友達になることを夢みていて、
私の傍にいたムサシを見るなり笑顔で話しかけてきたんだった。
そこからだ。
自分にとって、久々に楽しいと思える日々が過ごせるようになったのは。
彼にアニマギアの作り方や接し方を教える内に、一緒にSNSで遊ぶようになって、
なんとなく苦手に思っていたムサシが大切に思えるようになった。

サクラ「......うん、大丈夫。ちゃんと思い出せる」

それなら、最近の出来事はどうだ。
街で騒ぎが起きて、ギアティクス社に匿われた。
その後、突然現れた獣甲屋のエンペラーギア・フェニックスネオギアスに連れられて——

サクラ「............」

——ダメだ、そこまでしか思い出せない。
その後は確か、懐かしい顔を見た気がする。
両親とよく会っていた、黒髪の男の顔だ。
名前は出てこない。ただ、その人に会ったような気がする。

サクラ「でも、すぐに気を失っちゃった......んだよね」

記憶が途切れているという不安がサクラの体を冷たく震わせる。
こんなんじゃ、彼に......天草キョウに、怒られてしまうかも知れない。

サクラ「......キョウ、くん」

彼はすごい。
戦いを経て、彼がどんどん大人になっていくのが隣にいてよく分かった。
そんなキョウを見て、サクラは嬉しくなる一方で、焦りも感じている。
まだまだ先だと思っていた、天草キョウという男の子が紅葉サクラを追い越してしまう感覚を、
こんなに早く味わうだなんて。
私は弱い。
人とは違うことは重々承知していたけど、彼が大人になると感じる度に、
楽しかったあの日々が嘘になってしまうような気がして、ずっと恐かった。
でも、天草キョウはそんなサクラを見て笑うのだろう。
気にしすぎだ、って。

サクラ「会いたい、な......きゃっ」

足を滑らせて、大きく転倒した。
不思議と痛みはなかったが、とにかく身体が重い。
壁伝いに手を這わせ、なんとか体勢を立て直す。
その時、ガラス越しに雨に濡れる自分の姿を真正面から見つめた。

サクラ「......あ」

嗚呼。
そうだった。
自分がなぜ、獣甲屋に連れて行かれたのか。
理由は解っていたはず。
覚悟も出来ていたはずだった。

だけど。

アニマギアへと変貌した自分の姿を見て、サクラは言葉を失った。

EPISODE 36

涙は流せなかったが、代わりに雨がサクラの頬を濡らしていた。
冷たい、雨だった。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 35

ガオー「なんで、効かないんだよ......ッ!!」

電磁バリアを展開してからのゴウギアスは終始余裕の表情だ。
ガオーの攻撃は一切効かず、渾身で放つ二発目のマグナブレイカーも、
バリアによって無効化されてしまった。
これで、撃てるマグナブレイカーはあと一発のみ。

ゴウギアス「ほらほら、どうしたどうしたァ!」

ゴウギアスの猛攻をいなすことしか出来ず、反撃の糸口が見当たらない中、
キョウの肩を背後から叩く影があった。

キョウ「ヤマトさん!?」
ヤマト「良かった、間に合ったようだ...強い電磁波の影響で通信が出来なくてね」

その状況からエンペラーギアとの戦闘に入ったことを察知したヤマトは、
キョウをサポートするために直接駆けつけたと言った。

キョウ「ありがとうございます、Zギアモードでも歯が立たなくて...どうすれば...ッ」
ヤマト「まさか“あの”ゴウギアスとこんなに早く戦うことになるとは予想外だったよ...
...あのバリアはね——」

ヤマトは続ける。
——ゴウギアスは海外から技術提供を受けた特殊な機体で、
様々な皇帝機の技術が転用されているらしい。
特に、ライギアスをもとに設計された電磁バリアは強靱で、
外部から打ち破ることはほぼ不可能だと告げた。

キョウ「そんな、それじゃあ勝てないじゃないですか!」
ヤマト「いや、正確には打ち破れる。たった一つだけ方法があるが......現実的ではないんだよ」

その方法とは、バリアの対消滅だ。
電磁波のチャンネルを合わせたエネルギーをぶつけることで、
ゴウギアスのバリアを無力化することができるという。

ヤマト「つまり、ライギアスと同種の電磁波をぶつけることが出来れば、あるいは。
しかしライギアス亡き今、そんな手段は......」
キョウ「......ありますよ」

キョウは、ポケットの中にしまった物を静かに握りしめた。

ヤマト「それは...!!?」

“あの日”から持ち続けている、バイスとシュバルツのニックカウルだ。

キョウ「ガオー!カスタマイズだ!!」
ガオー「おうよ!!」

キョウの声に、ガオーがすぐに応じた。
キョウ達はすぐに瓦礫の影に身を隠し、ゴウギアスの攻撃をやりすごす。

ヤマト「ま、待てキョウくん!エンペラーギアはボーンフレームだけではなく、
ニックカウルにも幻獣のデータが入っているんだ!」

通常、アニマギアはボーンフレームに動物の本能や行動パターンがインストールされており、
ニックカウルにはアニマギア本体の記憶が記録されていく。
しかし皇帝機と呼ばれるアニマギアは、ボーンフレームの動作を外側から細かく補正・補助する必要があるため、
幻獣のデータがフレームだけではなくニックカウルにもインストールされているのだ。

ヤマト「幻獣のデータは通常のアニマギアにとって毒にしかならない...
下手すれば暴走、最悪自壊してしまうんだぞッ!!」
キョウ「それでも、オレは......!」
ガオー「オレ達は......ッッ!」

キョウとガオーの想いは一つだ。
彼らは泣いていた。
それを止めるために、自分達が壊してしまった。
彼らは泣いていた。
その想いをバカにするゴウギアスを、放ってなんて置けない。

あの二人のために、戦わなきゃ行けないんだ。

それが、彼らのために出来る唯一の償いなのだから。

キョウ&ガオー「ぐ、う、あああああああああッ!!」

キョウがガオーの左腕に、ライギアスのパーツを嵌めた瞬間だった。
ガオーとキョウの体に激痛が走る。
それは、エンペラーギアが持つ計り知れないほど膨大なデータ量が、
ガオーのボーンフレームに流れ込んだからだ。
体中を駆け巡る、自我が崩壊しかける程の負荷と痛み。
あまりの苦痛に二人の声は枯れ、視界も白く薄れていく。

キョウ「......我慢できるよな、ガオー......!
あの二人に比べれば......こんなの......ッ!」
ガオー「ああ、オレ達がアイツらに与えた“痛み”は...
...こんなもんじゃなかったはずだ......ッ!」

......ごめんなさい......

次第に手放しそうになる意識の中で、見覚えのある背中が見えた気がした。

......ありがとう......

同時に、キョウとガオーだけに聞こえる声がある。

「ごめんなさい、キミ達をたくさん傷つけてしまって」

「ありがとう、僕らのために怒ってくれて」

「あの時、僕らを止めてくれたのが、キミ達で良かった」

「キミ達が......で、本当に良かった」

EPISODE 35

ゴウギアス「なんだぁ、勝手にくたばっちまったのか?」

ホント、情けねえな。
ゴウギアスが吐き捨てると同時、彼の眼前にガオーがいた。
白虎は、マグナブレイカーを振りかぶる白獅子を見て、冷静にバリアを展開する。

ゴウギアス「馬鹿の一つ覚えで......無駄だってのがわかんねぇか!?」
キョウ&ガオー「無駄じゃないッッッ!!」

見れば、ガオーが構えているのは右腕のマグナブレイカーだけではない。
左腕に、エメラルドグリーンの輝きを放つライギアスのパーツがある。

ゴウギアス「な...ッ!?エンペラーギアの力を制御した!?
ありえねぇ...テメェのような下等アニマギアが!?」

ガオーは容赦なくそれをバリアに叩き込んだ。

キョウ「ニックカウルに残る、バイスとシュバルツの想いが...オレ達に力を貸してくれた!」
ガオー「ゴウギアス!これはお前が嘲笑ったアイツらの力だ!!オレとキョウの“友達”のなぁッ!!!!」

だから、キョウ達は踏み込む。
二人の決意と、二人の友の想いが、ゴウギアスのバリアを粉々に打ち砕いた。

EPISODE 35

キョウ&ガオー「これが“オレ達”の、マグナブレイカーだぁああああああああッッ!!」
ゴウギアス「まさか、そんな...こんな雑魚どもに、エンペラーギアである俺が......ッ!?」

負けるはずがない!
その言葉を最後に、ゴウギアスはガオーのマグナブレイカーで砕かれていた。

ヤマト「キミ達には本当に驚かされた...キョウくん、ライギアスのパーツをつけたとき、
キミも苦しんでいたようだが...あとで一応検査させてくれないか」
キョウ「わかりました、でもオレなら大丈...夫......」
ヤマト「キョウくん?」
キョウ「ヤマトさん、あのアニマギア......」

EPISODE 35

キョウの声に視線をやると、砕かれたゴウギアスのパーツを回収する影がある。
金色に輝く頭部に、赤く光るバイザーが特徴的な白いアニマギアが、
回収を終えるとこちらには目もくれず、淡々と立ち去っていった。

ヤマト「......いまのは、まさか」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 34

バイフーゴウギアスの攻撃は苛烈だった。
ワイヤー付きミサイルと電撃による遠距離攻撃は、ガオーに近づく隙を与えてくれない。

ゴウギアス「——テメェ、マジか?ちょっと弱すぎやしねぇか」
ガオー「......野郎ッ!」

ゴウギアスの煽りにたまらず飛び出した。
ミサイルを掻い潜り、放たれた電撃を真正面から受けながらもガオーは白虎へと肉薄する。

ゴウギアス「根性だけは認めてやるよ。だがな」

ガオーの牙がゴウギアスに届く、その刹那。
ゴウギアスの身体に電気が迸り、目にも止まらぬ速度でガオーの視界から消えた。

ガオー「なにッ!?」
ゴウギアス「度胸・根性・気合い...そういった類のモンじゃ埋められねえほどの差が、
エンペラーギアと通常のアニマギアの間にはあるんだよ!」
キョウ「あれだけの距離を一瞬で...速いなんてレベルじゃない、気を付けろガオー!」
ゴウギアス「気を付ける暇なんて俺が与えると思ってんのか......!?」

再び雷が迸り、疾走した白虎の爪がガオーを幾度となく斬りつける。

ガオー「だ、がぁああッ!!」

遠くへと吹き飛ばされるガオーにキョウが駆け寄ると、ゴウギアスが鼻で笑った。

ゴウギアス「情けねえ...情けねえなぁ。テメーの弱さには呆れたよ。
だけどな、エンペラーギアでありながらそんなテメェに負けたライギアスはもっと情けねえ...
...同じ皇帝機として反吐が出るぜ......ッ!」
ガオー「情けねぇだと!?お前が......お前みたいな奴がアイツらを語るんじゃねえ!」
ゴウギアス「あァ?なんだ、皇帝機(ライギアス)とお友達気取りか?
ッハ、忘れたとは言わせねえぞ」

嘲笑と怒りが混ざった冷たい声でゴウギアスが叫ぶ。

ゴウギアス「お友達結構!だがその友達をぶっ壊したのは、
他でもないテメェだよなぁああアアアッッ!!」
ガオー「お、お、お、おまえ、よくも......ッ」

哈哈哈哈哈哈哈哈哈!!
遠くで高笑いするゴウギアスに、ガオーは怒りを露わに絶叫した。

ガオー「よくもぉおおおおおッ!!!」

獅子が叫びと共に飛び出そうとしたとき、キョウの手がガオーを引き留めた。

キョウ「ガオー、ちょっと落ち着いて!」
ガオー「これが落ち着いてられるか!バイスとシュバルツをあんな風に言われて...
黙ってられるほど俺は利口じゃあねええッ!!」
キョウ「だから落ち着いて!!オレだって怒ってる......怒ってるよ......ッッ」

キョウが握りしめた拳から血が滲んでいることに気付いたガオーは、言葉を失ってキョウを見上げた。

キョウ「でも、アイツに勝つには怒ってるだけじゃダメなんだ、一度冷静にならないと......!」

キョウの瞳に静かな炎が宿っている。
その炎の熱を感じ取ったガオーは、力強く咆吼した。

ガオー「俺はどうすればいい、キョウ......!」
キョウ「ガオー、オレの合図で動けるかな。作戦はこうだ——」
ガオー「——了解!」

強く頷いたガオーが飛び出す。
しかし敵に背を向けて。

キョウ「さっきの攻撃を見る限り、ゴウギアスの超スピードの移動距離の限界は
恐らく10から15メートル!その射程に入るな、ガオー!」
ゴウギアス「コソコソ作戦会議してるかと思いきや、出てきた策ってのがこれかぁ?
くだらねえ、逃げ回ってるだけじゃねえか!」

それにな、とゴウギアスは身をかがめ、ポッドを構えながら続ける。

ゴウギアス「どんだけ遠くに行こうが俺のミサイルが逃がしゃしねえよ!!」

放たれた爪型のミサイルは2発。どちらもガオーに狙いを定めて真っ直ぐに飛んでいった。

キョウ「いまだ!」
ガオー「う、お、おお、おおおおおおおッ!!」

直後、ガオーが最大出力でブースターを点火。
身を翻したガオーは飛んでくるミサイルとすれ違いながらゴウギアスへと突進する。
しかし、ゴウギアスは稲妻と共に超スピードでそれを避けた。

ゴウギアス「無駄だってのがわかんねぇかよ!」
キョウ「無駄じゃない——」

キョウが叫ぶと同時、ゴウギアスの背中のポッドが
先ほど発射した2基のミサイルをワイヤーで回収していた。

ゴウギアス「なにぃっ!?」

が、そのワイヤーに獅子が噛みついていた。
ミサイルが戻るよりも先にゴウギアスが移動したことによって、
ミサイルとゴウギアスを結んでいたワイヤーが急激に収縮したのだ。

キョウ「——そのワイヤーにガオーが噛みつけば、お前に追いつける!」

ワイヤーの収縮とブースターによって速度が乗ったガオーがゴウギアスへと再度突っ込む。

ガオー「マグナッッッ!!」

突進する過程で、ガオーがZ(ツヴァイ)ギアモードへと鮮やかに変形する。
右手に構えるのは、必殺の爪撃だ。

EPISODE 34

ガオー「ブレイカァアアアアアッッッ!!!!!!」

躊躇なくそれをゴウギアスに叩き込んだ。
獅子と白虎の間で閃光が激しく瞬いた。

キョウ「な......ッ!?」

だが、それだけだ。
球状に広がる電磁バリアが、ガオーのマグナブレイカーを完全に無力化していた。

ガオー「この電磁波は...!」

ああ、その通りだ。ゴウギアスが笑う。

ゴウギアス「この体には色んなエンペラーギアの技術が転用されてンだよ...
もちろん、ライギアスの能力も俺のものってワケだ!!」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 33

獣甲屋に協力していたというヤマト博士にも、彼らの本拠地は知らされていなかった。
引き続きサクラの捜索を続けるキョウ達に、
神出鬼没の黒いアニマギアが暴走しているという噂が舞い込んでくる。
噂のアニマギアが獣甲屋に繋がるかも知れないと考えたキョウは、
ガオーと共に市街地をパトロールしていた。
その最中、黄色い虎型のアニマギアがキョウ達の前に現れる。

EPISODE 33

???「おう、テメェらがエンペラーギアを倒したとかいう白いアニマギアだな?」
ガオー「誰だお前...つか、なんでエンペラーギアのこと知ってんだ」
キョウ「噂の黒いアニマギア......じゃないよな」
タイガオン「俺はタイガオンスロート。気軽にタイガオンで良い。んで、早速で悪ぃーんだけどよ」

タイガオンが四肢を折りたたみ、深く屈んだ姿勢になる。
直後、背中のポッドから二つの爪のような装備が勢いよく射出された。
狙いは曖昧だったが、二つの爪はキョウの頬を掠めながら後方に着弾する。

タイガオン「テメェらと闘ってみたくて仕方ねぇんだ!」

轟音と熱が瞬時に辺りを駆け抜けた。爆発だ。

キョウ「こんな街中で爆撃!?」

幸い、爆破に巻き込まれた通行人はいないらしい。
逃げ出す人やスマホで写真を撮る人々に、
キョウはすかさず「ここは危険です!逃げて!」と声を張り上げた。

キョウ「なんだって戦闘用アニマギアが単体で動いてるんだ!?」
ガオー「どこのアニマギアだか知らねぇが、お前が悪党って事ぁ一発で理解した!いくぜ、キョウ!」
キョウ「ああ!だけど、街に被害は極力出さないようにしなきゃ......ッ」
ガオー「分かってる!」
タイガオン「良いねぇ!オタクら、話が早くて最高だ!だけどよ!」

タイガオンが構えると、先ほど爆発したはずの爪が背中のポッドへと帰って行く。
見れば、タイガオンのポッドと爪の後端の間にあやしく光を反射する線がある。
ワイヤーが爪を巻き取っていた。

キョウ「爆発しても戻ってくるっていうのか......!」
タイガオン「街に被害が出ないように?哈哈哈(ハハハ)!
この俺相手にそんな余裕こいてる暇がねェってこと、スグに思い知るんじゃねーか、なァ!」

速い。
今度は爪型のミサイルを射出しながらタイガ自身がガオーに突進してきた。
両脇で生じた爆発はガオーの行動範囲を極端に制限しているが、

ガオー「おりゃあああッ!」

ならば正面衝突あるのみだ。
タイガオンとガオーが鍔(つば)迫り合いのように額(ひたい)同士を擦る。

ガオー「ミサイルで逃げ道を塞がなくてもなぁ!オレは逃げねぇんだよ!」
タイガオン「ほお、そりゃ気が合うねェ!」

攻撃を仕掛けたのは両者ほぼ同時だ。
ガオーの爪とタイガの牙が火花を散らしてぶつかり合う。
衝突の勢いで弾かれたのはガオーの方だった。

ガオー「(コイツ、オレよりパワーがたけぇ...ッ!!)」
タイガオン「なんだテメェその程度か!!?なぁオイ!!!」

間髪入れずにタイガオンがミサイルを撃つ。今度は直撃コースだ。
爆発する。

キョウ「ガオーをなめるなよ...!」
ガオー「うおおおおおおおッ!」

爆煙の中から飛び出したのは、Z(ツヴァイ)ギアモードへと変形したガオーだった。
タイガオンの横っ面に右手のマグナブレイカーを叩き込む。吹っ飛んだ。

キョウ&ガオー「どうだ!」
タイガオン「ハハハ...おもしれぇ攻撃持ってるみてぇだが...緩いな。緩くてかゆい。」

吹っ飛んだ先で崩した体勢を整えながら、タイガが笑っている。
手応えは確かにあったはずだが、ほとんど無傷だった。

ガオー「効いてねえのか......!?」
タイガオン「エンペラーギアを倒したってのはマグレだったみてーだなぁオイ」

いや、それとも。タイガが笑いながら続ける。

タイガオン「まぁ、不完全なままロールアウトされたライギアスが
雑魚だっただけってのもあるかもしれぇねけどなァ」
ガオー「ッ!?」
タイガオン「あんな力の制御もできねぇエンペエラーギアの面汚し、
さっさと壊しちまった方がテメェらのためだよなァ?ハハハ!」
キョウ「待て、バイスとシュバルツを知ってたのか!?」
タイガオン「ァあ?なんだ、察しの悪いガキだな」

そりゃあ知ってるよ。
黄から白へ。
笑うタイガオンのニックカウルが、激しい放電と共に体色を変えていく。

EPISODE 33

タイガオン「俺の名はタイガオンスロート......またの名をバイフーゴウギアス。
バチクソに最強のエンペラーギアって名乗れば、ちィとは察しが良くなるかい?」

まるで、バイスとシュバルツが合体したあの時の光景を再現しているようだった。

キョウ「白虎型のエンペラーギアになった...!?」
ガオー「なるほどな...いいぜ、獣甲屋って事なら容赦しねぇ!!」
タイガオン「一応、黒田の命令で来たんだが...
本音を言えば、ライギアス程度の雑魚を倒して良い気になってる奴が、
一体どんなツラしてんのか拝みたくてなァ!」

哈哈哈哈哈哈哈哈哈!!
奔り狂う雷光と共に、白虎の笑い声が響き渡った。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 32

キョウ「そんな......そんなこと、許して良かったんですか!?」
ヤマト「許すも何も、研究協力は脅されたわけではなく、私自身が提案したことなんだよ」
キョウ「......!」
ヤマト「恥ずかしながら、私もいち研究者としてエンペラーギアの設計というテーマに心が躍ってしまったんだ。
その中で、サクラを渡さないことだけが、私が自分を納得させるための精一杯の言い訳だった」

博士の話を聞いていたガオーは我慢がきかなくなったのか、ヤマトの目の前で短く吠えた。
それをコジロウが静かに制止する。

コジロウ「ガオーちゃん。物事ってのはそう単純じゃないんだよ」
ガオー「でもよぉ......!」
コジロウ「本能と希望が食い違うことなんて山ほどある。
博士はその狭間で、サクラちゃんの幸せを願って戦ってきたんだ」

ヤマト「なんにせよ、だ。獣甲屋と争ったところで、娘は幸せになれるはずがない...
...そう、思っていたのだがね。私が思う以上に、私は愚かだったようだ...」

どうやら獣甲屋の事情が変わったらしい。博士の視線は窓の外に投げられていた。

ヤマト「私ももう用済みだと言われた直後だったよ。知っての通り、奴らは娘を連れ去った。
これから獣甲屋は目標達成に向かって大きく動き出すだろう。すべて私の愚かさが招いた事態だ」
ガオー「——なら、話は早えよな!」
キョウ「ガオー...?」
ガオー「なんだよキョウ、察しが悪いな!奴らにとって用済みって言われたなら、
ヤマトも一緒に戦えるってことじゃねーか!」
キョウ「で、でもそれは」
ヤマト「いや、キョウくん。ガオーくんの言う通りだ。私も獣甲屋と戦うことを決めたんだ」

だからこそキミをここに呼んだ。ヤマトは続ける。

ヤマト「老いぼれの都合の良い話だと笑われても構わない。罪滅ぼしになるとも思っていない。
ただ、私はサクラに幸せであって欲しいから戦うと決めた」
ヤマト「本来であれば、大人として子供であるキミを戦いから退かせるべきだろう。
だが、獣甲屋に抗うためにはキミとガオーくんが持つ力......ギアブラストが必要なんだ」

ギアブラスト。
初めて聞く言葉だったが、キョウはすぐに何を指しているのか理解した。

キョウ「あの、金色に輝く力......ですよね」
ヤマト「そうだ。高レベルまで成長したアニマギアは、ボーンフレームに記憶された動物としての本能が
更なる『進化』を求め、限界を超えた力を発揮すると考えられていた」

キョウ「限界を超えた力......」
ヤマト「偶発的に発動したケースが過去に報告されてね。
その中では『発動時に人間とアニマギアが感覚を共有しているようだ』と記されている...
...が、発動条件を含め、どんな力なのか未だに詳細は解析されていない」

だが、とヤマトは続けた。

ヤマト「キョウくん達はそのギアブラストと思わしき力を発動させた......しかも二度。
これは単なる偶然じゃない......キミ達にその力を扱う“資格”があるんだ」

そしてギアブラストは、獣甲屋と戦うための鍵に他ならない。

ヤマト「我々の都合を押し付けてしまってすまない...どうか、私に力を貸してくれないか......!」
キョウ「......頭を上げてください、おじさん......いえ、ヤマトさん」
ヤマト「キョウくん...」
キョウ「止められたって、もうオレは逃げません。戦うと決めたのはオレたちも同じなんです。
サクラ姉ちゃんや、友達のために......みんなのために、獣甲屋をこのままにはしちゃダメなんだ......!」
ガオー「ああ! 今更戦いをやめて隠れてろなんて言っても無駄だからな!」
キョウ「だから、それはオレのセリフですヤマトさん。どうか、オレたちのために力を貸してください!」
ヤマト「......ありがとう......本当に......ッ」

改めて頭を下げるヤマトの瞳が、潤んでいるようにキョウには見えた。

ヤマト「サクラを救うこと。それがなにより獣甲屋を止めることに繋がる。
私情抜きに、サクラの奪還が我々に課された最重要任務だ」
ガオー「なぁ」

ヤマトの話を遮るように、ガオーが首を傾げた。

ガオー「ヤマトが獣甲屋を手伝ってたっていうなら、
あの獣甲屋の首魁(しゅかい)?とかいう黒髪の男についても知ってんのか?」
ヤマト「......驚いた。キミたちはすでにアイツに会っていたのか」
キョウ「はい。バイスとシュバルツの案内で辿り着いた廃工場で」
ヤマト「アイツから、獣甲屋の目的やサクラについてなにか聞いたかい?」
キョウ「いいえ、そこまでは。出会ってすぐ、ライギアスとの戦いになりましたから...
...聞かせてくださいヤマトさん、あの男の目的って一体なんなんですか?」

ヤマトは深いため息をついて、素早くコンソールを操作した。
部屋中央の立体映像が切り替わる。キョウたちが出会ったあの男の顔が大きく映し出された。

EPISODE 32

ヤマト「彼の名前は黒田ショウマ——"究極の身体"を求めてエンペラーギアを製造し、
サクラを拐(かどわ)かした獣甲屋のトップ。我々が倒すべき男だ」

男の顔を見たキョウは、強く拳を握りしめる。
黒田ショウマ。
その名を確かに、胸の奥に刻みつけた。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 31

ライギアスとの戦いから数日後。
獣甲屋に連れ去られたサクラを、ソウヤを筆頭にABFが捜索している最中、
キョウはコノエにとある研究所へ来るよう呼び出されていた。
もちろん、ガオーも一緒だ。加えていまはコジロウも同行している。
ギアティクス社から遠く離れた山奥に居を構えたその研究所の看板には
「MOMIJI Technics」の文字が彫られている。

キョウ「もみじてくにくす......もみじって、サクラ姉ちゃんの苗字か?」
コジロウ「そうそう。ここはサクラちゃんのパパン......紅葉ヤマト博士が作った研究所だ」

キョウたちが研究所のエントランスで所在なさげに佇んでいると、奥の扉からコノエが歩いてきた。

コノエ「キョウ君。博士がお待ちだ、入ってきて」

彼女に言われるがまま廊下を進み、通された部屋の奥には一人の初老の男性がいた。

EPISODE 31

コノエ「博士。キョウ君を連れてきました」
ヤマト「ムサシはどうしたんだい?」
コノエ「すみません、ムサシ君はサクラ君を捜索すると数日前に出て行ったっきり反応が消えてて......」
ヤマト「そうか......まぁ彼なら下手なことはするまい。ありがとうコノエくん、少し下がっていてくれ」
コノエ「はい、失礼いたします」

コノエが部屋を出ると、ヤマトは柔らかな笑みを浮かべてキョウに語りかけた。

ヤマト「ここで会うのは初めてだね。お久しぶり、キョウくん、それにガオー」
キョウ「......久しぶり、です」

キョウとヤマトは面識がある。
サクラが街に越してきたあと、彼女と遊ぶようになってから何度か会うことがあった。
長い時間話をしたわけではないが、サクラから二足歩行型アニマギア開発の第一人者と聞いて、
当時は目を輝かせたものだ。
しかしいま、キョウはまったく別の理由で緊張していた。

キョウ「おじさん、オレ......サクラ姉ちゃんを......」
ヤマト「そう堅くならないで欲しい。サクラが連れて行かれたのはキミたちの責任じゃないんだ」

誰のせいでもない、と言いながらヤマトはコジロウを一瞥(いちべつ)して、少しだけ肩を落とした。

ヤマト「デュアライズスタッガー......どうやら、荷が勝ちすぎたようだな」
コジロウ「申し訳ありません。俺の不注意でした」
ヤマト「いいや、責めているわけじゃないんだ。サクラの件は誰のせいでもないんだよ...
...強いていえば、私自身の業という奴だ」

ヤマトは、何かを諦めたような虚しさを表情に浮かべて、キョウに向かって深く頭を下げた。

ヤマト「天草キョウくん。巻き込んでしまって、本当に申し訳ない」
キョウ「お、おじさん!?どうしたんですか急に!」
ヤマト「言葉の通りだ。キミを戦いに巻き込んだのも、
サクラが獣甲屋に連れて行かれたのも、すべて私に責(せめ)がある」

もう一度、彼はキョウに頭を下げてコンソールを叩く。
すると、部屋の中央にホログラフィックの立体映像が投影された。
そこにあるのは、キョウが今までに出会ったエンペラーギアの設計図だ。

ヤマト「見ての通りだ。私は今まで、獣甲屋の研究を僅かながら手伝っていたのだよ」
キョウ「え...?」
ガオー「嘘だろ!?」

言葉を失うキョウに、ヤマトは「主にエンペラーギアの設計の手伝いをね」とヤマトは続けた。

ヤマト「驚くのも無理はない。だが、私は確かに私の意思で、
獣甲屋の掲げる理想に準ずることを選んだ......サクラの幸せ、それだけのために」
キョウ「サクラ姉ちゃんの、幸せ......?」
ガオー「獣甲屋の奴らに手を貸すのがサクラのためになるって!?そんなことありえるのかよ!」
ヤマト「......なぜ、獣甲屋がサクラを狙うのか考えたことはあるかい?」
キョウ「それは......」
ガオー「心当たりなんてねえよな、キョウ!」

言葉を失ったキョウを見て、ヤマトは深く頷いた。

ヤマト「娘には......そうだな、特別な力がある、と言ったら突拍子もないだろうか」
ガオー「チカラ?」
ヤマト「そうだ。その力はアニマギアの在り方—
—そして世界の在り方を大きく変えてしまうかもしれない力だ」

獣甲屋はその力を利用するために彼女を狙っていた。

ヤマト「だが、私が研究に協力することでサクラの無事は保証された。
サクラの特別な力を使わなくても、獣甲屋が目標を達成できるような手助けをしていたというワケだ」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 30

コノエ「ムサシ君、これどうなってるのかな、ねぇ!?」

戦いが終わるや否や、ムサシを見たコノエが鼻息を荒くしながらまじまじと観察を始めた。

コノエ「言うなればFBSの半発動みたいな?出力を調整できるなんて話聞いたことないけど、
暴走せずにコントロール出来てるっぽいのはその恩恵なのかな......!!あっ」

いつの間にかムサシのボーンフレームがわずかな煙を吐き出して、
ブラッドステッカーが通常の状態へと切り替わっている。

コノエ「クールダウンしちゃったかぁ......半発動とはいえ、
やっぱ身体にかかる負担は大きいみたいだね......」
コジロウ「まぁまぁいいじゃないコノエちゃん。無事が一番って奴よ」
コノエ「そう、そうだよね......あ!そうだ、エンペラーギアのパーツ
回収しといた方が良いよね!回収回収~♪」
コジロウ「たくましいねぇ......」

肩を落としたと思いきや、すぐさま別の興味に心奪われたコノエをよそに、
コジロウがムサシの肩を軽く叩いた。

コジロウ「ほんっと、あんま心配かけさせんじゃないぜー、ムサシちゃん」
ムサシ「......すまない」
コジロウ「良いんだよ。無事が一番って言ったっしょ。はー、まったく手のかかる弟を持つと大変だわー」
ムサシ「待て、聞き捨てならないぞ。作られたのは俺の方が先だ。弟ならコジロウの方が妥当だろう」
コジロウ「え〜でもなんか俺の方が保護者っぽいし!俺がお兄ちゃんでしょ!」

EPISODE 30

サクラは、ムサシがこんな言い合いでムキになっているところを初めて見た。
そのことが妙におかしくて、気を緩めると笑いが吹き出しそうだった。

コノエ「きゃあああっ!?」

何事かと一同がコノエの方に振り返ると、そこには疑いたくなるような光景がある。

ネオギアス「......もう少しだった」
コノエ「みんな......っ」

無傷のフェニックスネオギアスがそこにいた。
問題はそれだけではない。
コノエが身動きを取れないように、幾つもの炎の輪が彼女を取り囲んで拘束している。

サクラ「こ、コノエさんを離して......っ」
ネオギアス「赤いの。貴様、我の能力を“再生”と読んでいたが、その推測は実に惜しい」

サクラに取り合うことなく、ネオギアスは言葉を紡ぐ。

ネオギアス「我が能力は“不死”。頭を砕かれようと、四肢を引き裂かれようと、
ボーンフレームその物が無事であれば必ず生き延びる
——生き延びてしまう。それがこのフェニックスネオギアスである」

不死鳥は心底つまらなそうに「忌々しい」と吐き捨てた。

ネオギアス「もう少しで滅びを得られた......こんな昂ぶりは生を受けてから感じたことがない。
大義であった、デュアライズカブト」

炎の輪が縮まる。
少しでも動けばコノエの服や身体に燃え移ってしまう、危うい状況だった。

ネオギアス「定命の者が、ここまで我を追い詰めるとはついぞ想像しなかったぞ」

さて。
あらかた話をして満足したのか、ネオギアスが首を傾げてサクラに向き直った。

ネオギアス「ヒトの子よ。我は主にこう命令されている。『紅葉サクラを無傷で連れてこい』とな」
コジロウ「......!アンタまさか!」
ネオギアス「そうだ......紅葉サクラ。我はその他の命を奪うことになんら抵抗はない」
サクラ「そん、な......!」
ムサシ「......外道がッ!」
ネオギアス「エンペラーギアに道を説く方がよほど道を外れていると、我は思うがね」

どうだヒトの子よ。ネオギアスは続ける。

ネオギアス「貴様が黙って我についてくれば事は荒立てぬ。
有り体に言えば、この者の命が惜しくば......ということだ。わかるな」
ムサシ「サクラ!耳を傾けるな!」
コジロウ「そうだぜサクラちゃん!ここはギアティクス社だぜ!?きっとすぐにABFの奴らが
......って、そうだった陽動作戦......!」

コジロウの言うとおり、対暴走アニマギアチームであるABFは
市街地で暴れている別のエンペラーギアの対処のため現場に急行している。
いまこの瞬間において、ギアティクス社はもぬけの殻だ。

サクラ「......わかった。ついていく」
ムサシ「サクラ!?」
サクラ「しょうがないよ。私が行かないと、みんなが危ない」

決意を宿した、しかし震えた声でサクラは続けた。

サクラ「お父さんや、飛騨くん......それに、キョウくんに伝えて。私は大丈夫だ、って」
コノエ「サクラ君......ごめん、私の不注意で...っ」
サクラ「良いんです、コノエさん。いつかこうなるような気がしてたから」

......連れてって、ネオギアス。
サクラがネオギアスに告げると、不死鳥は何も言わずにコノエを囲んでいた炎を解除した。
そして、サクラがネオギアスのもとに行くと、一瞬大きな炎が上がって——

ムサシ「......サクラぁああああーーーーーッッ!!」

——サクラの姿が、ネオギアスとともに忽然(こつぜん)と消えていた。
相棒である、ムサシを残したまま。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 29

ムサシ「ウオオ、ヲ、ヲヲ、WRRRR......」

ムサシの全身から火花が飛び、痙攣するように身もだえする彼の姿を見て、サクラは絶句した。
ネオギアスの炎を克服したと思いきや、いまではうめきながらもだえ苦しんでいる。

サクラ「コノエさん、どうしてムサシがFBS(暴走プログラム)を......!?」
コノエ「私にもわからないよ!だけど......」

サクラのもっともな疑問に「これはあくまで推測だよ」と、
コノエはばつが悪そうに重く口を開いた。

コノエ「博士がムサシ君を改造するとき、あのムラマサのパーツを使ったんだと思う...
...ムサシ君の希望でね」
サクラ「......ムラマサの、パーツを?」
コノエ「もちろん私は反対した。暴走アニマギアのパーツを使うには相応のリスクがある」

下手したら、ムサシ自身が暴走アニマギアになってしまう。まさに今、そうなろうとしている。
ネオギアスは一転、距離を取って様子見といった佇まいだ。
その敵に向かって、ムサシは金切り声を上げて威嚇している。
あれではまるで飢えた獣だ。

コノエ「だから私は、せめてFBSが発動しないようにロックをかけるよう提案した......はずなのに!」
サクラ「......ムサシ............!」
コジロウ「ムサシちゃん......俺に損な役回りを押しつけてくれるなよ......!」

見かねたコジロウが動き出そうとした、その時だった。

ネオギアス「——ムゥ。余興も終わりである、か」

不死鳥が動く。ネオギアスの翼から放たれる幾つもの火球が、容赦なくムサシに直撃した。
轟々と燃え盛る火柱が、吠える剣士の体を灼く。
先ほどのように、炎が体に吸い込まれることもない。

ムサシ「RRRRRRRRRRRRRRRRRRR!!」
コノエ「ムサシ君!!」
コジロウ「兄弟!!!!!」
ネオギアス「昂ぶりも冷めた。なんと誠に退屈な幕よ。せめて安らかに滅べ」

終わった。
FBSを発動してしまったムサシを止めたのは、意外にも敵であるエンペラーギアだった。
暴走してしまった以上、あのままムサシが戦っていたとしても苦しむだけだった......と。
炎の中で暴れるムサシの影を眺める誰もがそう思っていた——

サクラ「まだ、終わってないよね、ムサシ......っ!」

——相棒(バディ)である、サクラを除いて。

サクラ「あなたがムラマサのパーツを使って欲しかった理由、私には分かってる!」

彼女の声を聞いた炎の影が、ピタリとその動きを止める。

サクラ「ムラマサも一緒に連れて行きたいんでしょう!?誰かを信じて戦える場所に!」

それは、ムサシが息絶えたからではない。

サクラ「なら、こんな所で倒れてちゃダメだよ!暴走なんか、しちゃダメなんだよ!」

炎の奥で瞳に宿った光を、サクラは見逃さなかった。

サクラ「いまも誰かを助けるために戦ってる—
—人間のことを信じて戦っているムサシなら大丈夫だって、私信じてるから!」

EPISODE 29

だから、勝って。

サクラの声に呼応するように、影が地を蹴った。
ムサシが炎の中から飛び出す。

ネオギアス「無傷......だと!? ありえな——」

——い。
遮られた不死鳥の言葉がそれ以上続くことは無かった。
炎の中から飛び出したムサシが、フェニックスネオギアスの体を斬ったのだ。

EPISODE 29

斬られたネオギアスはニックカウルが砕け、ボーンフレームもバラバラに散った。
不死鳥のパーツが地に落ちるのと、ムサシが着地したのはほぼ同時だった。
決着、していた。

ムサシ「ぐ......っ」

直後、ムサシが膝をついて倒れ込んだ。

サクラ「ムサシ!!」

駆け寄ったサクラが見たのは、様変わりした相棒の姿だった。
デュアライズカブト真として付け替えられたパーツだけではない。
ブラッドステッカーに迸る稲妻のような模様は、FBS発動の証だ。
しかし全身ではなく、その稲妻は彼の右半身のブラッドステッカーにのみ現れていた。
サクラが倒れたムサシを拾い上げると、ムサシは申し訳なさそうに視線を逸らして
「かたじけない」と口を開いた。

ムサシ「......サクラ。キミのおかげで俺は“戻って”こられた」

彼が意味の通じない叫びではなく、整然とした言葉を口にしたことで
サクラは安堵のため息を吐き出した。
暴走していない。
その事実が、サクラにとってはたまらなく嬉しかったのだ。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 28

一方的な戦いになるというネオギアスの予想は裏切られた。
そもそも向かってくる敵の得物が接近武器の時点で、
炎による中距離攻撃が主な手段である自分の相手になるわけがなかったハズなのだ。
その点で言えば、あの赤いクワガタの方がまだ“らしい”戦いになるだろう——と。

しかし実際はどうだ。

突如現れたこの剣士は、少なくとも即座に消し炭にされないだけの
——ネオギアスと刃を交わすだけの力がある。

コノエ「良かった、間に合ってたぁ......!」
サクラ「コノエさん!」

コノエ「サクラ君とコジロウ君が中庭で戦い始めたのが見えて、慌てて博士に連絡したんだけど、
そしたら既にムサシ君を向かわせてるって言ってたから......!」
サクラ「博士......って、お父さんが?」
コノエ「このところエンペラーギアが現れるようになったからって、
ムサシ君の改造に踏み切ったみたい。見たところ調子は良さそう、かな?」

やっちゃえムサシ君、と騒がしい声が聞こえてくる。
なるほど、あの“紅葉ヤマト”が手を加えたか。確かにこのアニマギアの調子は良い。
現にムサシの剣圧は自分の炎を掻き消し、こちらが炎を充填する前に攻撃を仕掛けてきていた。

ネオギアス「面白い」

相手を甘く見たことをネオギアスは僅かながらに恥じた。
それはムサシに対してだけではない。

コジロウ「俺もいるんだぜ、ダンナァ!」

コジロウの方も、ムサシが参戦してから勢いに乗っている。
絶妙なタイミングの射撃はネオギアスの視線を誘導し、ムサシの攻撃から気を逸らした。
矢面に立つ戦いよりも、裏方にまわる戦いの方がよほど性に合っていると見える。
見事なコンビネーションだ。

EPISODE 28

二体のアニマギアの連携を前に、ネオギアスの体は能力によって未だ無傷で済んでいた。
だが、このまま続ければ彼らがネオギアスの悲願を達成してくれるかもしれない
——そんな予感に思わず身震いした。

——“破壊してもらえる”。

ネオギアス「本当に、面白い......ッ!!」

主から命を受けている以上、いま壊れるわけには行かない。
ならばせめて、このひとときだけでもギリギリまで没頭しよう。
戦が楽しいのではない。破滅と隣り合わせなのが愉しくてたまらないのだ。
嗚呼。
こんな気持ちはいつぶりだろうか。
滅びを予感させてくれるほどの戦の機会など、もう訪れることはないと思っていた。
なればこそ。

ネオギアス「ギアを一つ上げるとしよう!」

フェニックスネオギアスというエンペラーギアは、好物は最後に取っておくタイプだ。
真正面から堂々と戦う者が、ネオギアスは嫌いではない。
だからネオギアスは身を翻し、急降下する。
速度を上げたネオギアスはコジロウへと突っ込んだ。

コジロウ「なッ!?」

肉薄したネオギアスはコジロウを押し倒し、爪で身動きを封じている。
次の瞬間、ネオギアスの翼から炎が噴き出した。

コジロウ「て、めぇ......!」
ネオギアス「狡賢(ずるがしこ)いガンマンにはご退場願おうか!」

噴き出した炎はコジロウの眼前に集束していく。
先に見せた火球で、このまま敵を灼きつくすつもりだった。

ムサシ「遅いッ!」

疾風。
そう呼ぶに相応しい速度で、今度はムサシがネオギアスに突進した。

コジロウ「助かったぜ、兄弟......!」
ムサシ「下がっていろコジロウ!コイツの攻撃はまだ終わっていない!」

敵が両の剣をいっぺんに振りかぶる。ネオギアスは反射的にその攻撃を翼でガードした。

ムサシ「このまま、決める!」
ネオギアス「ムゥ。それは悪手というものだ、青いの——」

好物を先に頂くことになるが、致し方ない。
ネオギアスは剣を受けた翼から炎を再度噴出させる。

ムサシ「ぐ、ぅ、お......!」

熱いだろう。熱いに違いない。
噴き出した炎はそのままムサシの体をすっぽりと包み込んでいた。
この熱に耐えうるアニマギアなど、自分をおいて他にあろうものか。

ネオギアス「——下ろすにはあまりにも惜しい幕であった......ッ!!」
ムサシ「ぉお、お、おおおおおおおおッッッ!!!!」

炎の中のムサシが咆吼する。
気が付けば、ネオギアスが放った炎はムサシの体へと吸収されるように消えていた。

ネオギアス「......なんだと?」

直後、ムサシのボーンフレームが軋みながら火花を散らし始めた。

コノエ「ちょ、ちょっと、そんなの聞いてないよ!?どうしてムサシ君にアレが......!」
サクラ「こ、コノエさん?どうしたんですか急に」
コノエ「どうしたもこうしたもないよ!あの反応を見るに、ムサシ君はいま、
FBS(暴走プログラム)を発動させようとしているんだ!」

EPISODE 28

ムサシ「使わせてもらうぞ...『ムラマサ』...ッ!!!」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 27

ネオギアスが充填する火球は時間の経過とともに大きくなっていく。
その炎はサクラの拳ほどのサイズだったはずだが、いまやサクラの頭部ほどにまで巨大化していた。

サクラ「コジロウ、なんとか“アレ”を止めて!」

止めなければ、とんでもないことになる。
自分達の命が危ういだけでは済まない。

サクラ「きっと、このビル全体が危ないことになっちゃう!」
コジロウ「はいはい、承りましたよ......っと!!」

サクラの一言でコジロウが飛び出す。2丁のライフルが狙うのは無論、ネオギアス本体だ。
先ほどの超連射と同じペースで弾丸を撃ち込んでいく。

コジロウ「フェニックスって名前から察するに、
アンタのエンペラーギアとしての能力は恐らく“再生”!」

連射を続けながらコジロウは続ける。
こちらの弾丸があたる度に、ネオギアスの体の表面に微弱な炎が迸った。
依然として、ダメージは与えられていない。

コジロウ「つまりこっちの攻撃で傷付いた瞬間、
アンタの体はすぐさま再生しちまう......と俺は読んだ!」
ネオギアス「ほう......であれば、どうする?」
コジロウ「そんだけのデケぇ攻撃を準備するにはリソースが必要なハズだ!
そう、再生能力が衰えるほどのエネルギーがッ!」

敵もアニマギアである以上、攻撃と防御はトレードオフのはずだ。
再生能力ほどの強力な防御性能であれば、攻撃を犠牲にしなければ成立しないはず。
その逆も然りだ。

コジロウ「ならば撃つ! いまの俺に出来るのは撃って撃って撃ちまくることだけ!」

コジロウの勢いが弾丸に乗ったのか、僅かにネオギアスのニックカウルに傷が入る。
瞬時に回復されはしたが、先程までの目に見えない速度での回復ではない。
このまま勢いを保てれば、いずれ勝機がやってくる......そうサクラとコジロウが確信したときだ。
ネオギアスがまたもや大地を震わせるうなり声を上げた。

ネオギアス「読みは良い。我が思うほど愚かではなかったようだ。
しかし我は言ったはずだな。貴様ごときに我が肉体は滅ぼせぬ——」

ネオギアスが、自ら作った火球の中に沈んでいく。
敵を狙ったコジロウの弾丸は、大きく膨れ上がった小さな太陽に阻まれた。
もう弾丸が届かない。

ネオギアス「——その道理が無い故に、と」

この状況で倒せる道理が無いと言われれば確かにその通りだ。
が、そんなのめちゃくちゃだ。あんな高温下に耐えうる機体が存在するなど、
見たことも聞いたこともない。
まるでお伽噺の怪物。
まるで規格外。

ネオギアス「それこそが、エンペラーギアである」
コジロウ「は......ハハハ......——」
サクラ「コジロウ......!」

死を目前に、自暴自棄に笑い出したようにしか見えないコジロウに、
かける言葉をサクラは持っていない。
あんなアニマギア、今まで見たことがなかった。
エンペラーギアと通常のアニマギアの圧倒的な力の差を見せつけられているようで、
そこに希望など見いだせるはずもない。
だからこそ、コジロウの笑いの意味をサクラは“誤解”してしまったのかも知れなかった。

ネオギアス「ムゥ。貴様、どこを見ている......?」

ネオギアスが抱いた疑問はもっともだ。
戦闘中で、しかも決着がつこうかというこの瞬間、
コジロウの視線はあろうことかまるで別の場所を見つめていたからだ。
正確には、ネオギアスの背後を。

コジロウ「——おせえんだよ、ムサシちゃん」

EPISODE 27

サクラ「ムサシ......!?」
サクラが驚くのも無理はない。
確かに、その視線の先には青いニックカウルに包んだカブトムシ型のアニマギアがいる。
しかし、コジロウがムサシと呼んだその機体はサクラが知る姿ではなかったのだ。
ムサシ「すまない、サクラ。遅くなった」

EPISODE 27

サクラ「本当にムサシなの!? でも、その姿って......!」
ムサシ「......話すと長くなるんだが」
コジロウ「ちょい待ち! 俺になんか言うことあんじゃねーの?」
ムサシ「コジロウか。どうやら留守中、世話になったらしいな。一応感謝する」
コジロウ「一応て!素直じゃないねぇ〜ムサシちゃんは」

敵を挟んでの会話が盛り上がったところで、そのネオギアスは心底つまらなそうにため息を吐いた。

ネオギアス「新手か......まったく、つくづく我が主も間が悪い......ッ!」

ネオギアスの火球が標的を変える。
無論、ターゲットはムサシだ。
サクラが声を上げる間もなく、その凶弾は放たれた。

コジロウ「ヒュウ! やるねぇ......」

だが、その炎は届かない。
刹那の間に抜かれた二振りの剣が、ムサシの両の手に握られている。
理屈は分からないが、たしかにムサシはいま——。

ネオギアス「ムゥ......?」
コジロウ「反撃開始ってワケだなァ、兄弟!」

——確かに、迫る炎を両断して見せたのだ。

ムサシ「......いざ、尋常に!」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 26

コジロウ「だぁークッソ! ネオギアスつったか!? 気持ちわりいよアンタ!」

コジロウが不満を爆発させたのは、戦闘が始まってからすぐのことだ。
トリッキーな動きでネオギアスの周囲を跳び回り、2丁のライフルで撃つ。
この動作を何度も繰り返すが、コジロウの攻撃が当のネオギアスに
なんらダメージを与えていないのだ。
最初のように炎が銃弾を消し炭にしているわけではない。
命中はしている。手応えもある。
だというのに、ネオギアスはまるで動じない。

コジロウ「どうなってんだよ、アンタのカラダは!」
ネオギアス「......少し痒いな」
コジロウ「ぷっつーん! 言うに事欠きやがって......吠え面かかせてやんよ!」

コジロウがライフルを撃つ。
届かないなら届くまでと言わんばかりの攻撃は、
単発式とは思えない速度を持って連射された。まるでマシンガンだ。

EPISODE 26

ネオギアス「無駄だ」

しかし攻撃は無為に終わった。
ニックカウルはおろか、
ボーンフレームでさえ砕いてしまうほどの連射を持ってしても、
ネオギアスは依然として無傷のまま、不遜に佇んでいる。

コジロウ「まじでバケモンかよ......!」
ネオギアス「その通りだ」

敵の意外な反応に、サクラとコジロウは思わずたじろいだ。
ここに来て、ようやく会話らしい会話が成立したからだ。

ネオギアス「化物という形容は言い得て妙だ。なにせ、我がカラダは少々特殊なものでな」
コジロウ「......そのカラダってのが、エンペラーギアとしてのアンタの能力ってところか?」
ネオギアス「ムゥ。少々喋りすぎたか」

ネオギアスのニックカウルの節々から炎が噴き出した。
その火炎は、オーラのようにネオギアスに纏わり付いて離れない。

ネオギアス「赤いの。貴様ごときに我が肉体は滅ぼせぬよ——その道理が無い故に」

纏う炎は、ネオギアスのカラダを実寸以上に大きく見せていた。

ネオギアス「さて、定命の者よ。貴様には我がじきじきに救いを与えよう」
コジロウ「救いだって......? 新品のニックカウルでも用意してくれんの?」
ネオギアス「壊(ころ)す、と言っているのだ」

喋っている間にも炎の勢いは増していく。
いまや、ネオギアスのカラダの10倍はあろうかという大きさにまで炎が燃え盛っている。

ネオギアス「なに、死ぬことはそう悪と言い切れたものではない。
痛みばかりの生にすがるより、よほど安らぎに満ちていることだろうよ」

その炎が球状に圧縮されていく。
小さな太陽の如く輝く赤い球体。加えてそれを放つのがエンペラーギアともなれば、
その攻撃の破壊力は想像に難くなかった。
その攻撃を受ければ、まず命はない。
この場にいる誰もがその予想を抱き、この先起こる事実として認識していた。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 25

サクラ「浮いて......る......?」

目の錯覚かと思ったが、どうやら違うらしい。
そのアニマギアは、鳥の形をしているというのに翼を羽ばたかせることなく、
妖しく浮遊して宙空に静止していた。

コジロウ「気をつけな、サクラちゃん。見りゃ分かるが“タダモン”じゃあないぜ、コイツ」

コジロウは一見リラックスしているが、
既に両手は足に携えた二丁のライフルをいつでも取り出せる位置にあった。
臨戦態勢だ。

鳥型アニマギア「——ムゥ。娘に付いている護衛はいないと聞いていたが......話が違うな」

鳥が言った「いないはずの護衛」とは恐らくムサシのことだろう。
彼が調整中と知っての発言だとすれば狙いは自分か、とサクラは瞬時に悟る。
つまり、この鳥はムラマサと同じ“獣甲屋”の手先というわけだ。

鳥型アニマギア「——我が名はフェニックスネオギアス。
不承不承ながら、エンペラーギアの一角を担っている」
サクラ「エンペラーギアですって!?」
ネオギアス「迎えに来たぞ、ヒトの子よ」

コジロウ「あっさり正体と目的バラしやがったな。
大方、ムサシちゃんがいねーところで甘い汁すすろうって魂胆なんだろうが、お生憎様。
いまは俺が姫様をまもるナイトやってんのヨ」

だから安心しなサクラちゃん。
コジロウが緊張感のない声と共に、二丁のライフルを構える。
このままこの場を彼に任せて屋内に入ろうかとも考えたが、
目の前の“敵”の狙いがサクラ自身である以上それは出来ない。
今こうしている間にも働き続けるギアティクス社に、
サクラが余計なパニックを持ち込めるはずがなかった。

サクラ「コジロウ......お願い、私と戦って......ッ」
コジロウ「いいねぇ、燃えるねぇその台詞。お安い御用さ!」

EPISODE 25

コジロウが銃を構えるなり、鳥は翼を広げて大仰に首を振った。

ネオギアス「まったく、我が主も詰めが甘い。人払いは完璧にして貰わないと困るというものだ——」

人払い。
そういえば、ネオギアスは単身堂々とギアティクス社に訪れた。
獣甲屋からすれば敵の総本山であるにも関わらず、だ。
いくらエンペラーギアといえど、ABFの制圧力を前にしてはひとたまりもないはず。
だが実際にネオギアスは来た。
まるで、ここの警備が手薄になるのを知っていたかのように。

サクラ「っ! まさか、街でいま起きてる事件は......!」
コジロウ「なるほど、陽動作戦ってコトね......随分と派手な罠に嵌めてくれるじゃねーの!」

恐らく二人の言葉に間違いはないのだろうが、ネオギアスは否定も肯定もしない。

コジロウ「おいおい、話聞いてんのかアンタ!」

先程から独り言のように自分の言葉を紡ぐだけで、
このエンペラーギアは会話をしようとしていなかった。
それが不快なのはサクラもコジロウも同じなのだろう。
しびれを切らしたようにコジロウが構えたライフルから一発の銃弾が放たれる。
しかしこちらの言葉と同様に、その弾丸は届かない。
ネオギアスに届く直前、遮るように迸った炎が銃弾を灼き尽くしたのだ。

ネオギアス「——我としても貴様の中身には大変興味がある。
ヒトの子よ、そこな赤い護衛をけしかけるというのなら、
強引にでも押し通らせて貰うぞ」

これから起こる戦いの激しさを予感させる激しい炎が、ネオギアスの全身を包んだ。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 24

時は少し遡る。
ユニコーンライギアスが市街地で暴れ始めた頃、
その事件を知らせる緊急ニュースがギアティクス社に舞い込んできた。
社内に来ていたサクラは、激しいアラートと共に慌ただしく動く職員達を眺めることしかできない。
そんな折りに、ソウヤがコノエに険しい表情で話しかけている様子が遠くに見えた。
何を話しているのかは聞こえないが、恐らくソウヤの緊急出動に関する要件だろう。
ギアティクス社にはABFと呼ばれる暴走アニマギア対策チームがあり、
ソウヤもそのメンバーに入っているからだ。
ライギアスが暴れている街は遠い。もはや一刻の猶予もないだろう。
そんなことを考えていると、コノエと話していたソウヤがこちらに駆けつけてきた。

ソウヤ「紅葉さん! 悪いけど、僕も出動することになった。
ムサシはまだ調整が終わっていないし、キミはあまり街には近づかない方が良いと思う」

ムラマサとの戦闘後、想像以上に深手を負っていたムサシは、
現在ギアティクス社のラボで修復中だ。“代わり”がいるとはいえ、
確かにソウヤの言うとおり街に出るのは得策ではないだろう。
だが、ただ大人しく待っていられるサクラでもない。

サクラ「飛騨くん、私にもなにか出来ることってないかな」
ソウヤ「そうだね...そういえば、こんな状況なのにまだキョウと連絡が取れないんだ。
紅葉さんの方からなんとか彼に連絡してくれないかな」
サクラ「......わかった! ありがとう!」

ソウヤが与えてくれた役目はささやかなものだったが、なにも出来ないと言われるよりは遙かにマシだ。
ソウヤがギアティクス社を飛び出すのを見届けて、サクラは言われたとおりキョウへの連絡を試みようとする。

サクラ「っと、ここじゃ邪魔だよね」

対策チームが出動すると同時に社内のアラートは消えたが、いまだに他の職員は忙しなくしている。
迷惑をかけないよう、ビルの中庭にあるベンチへと移動した。

???「ちょいちょい! サクラちゃんさぁ、勝手に外出るのはNGっしょ?」
サクラ「......コジロウ」

軽い調子の言葉と共に、サクラの肩へ登ってきたのは赤いクワガタ型アニマギアだ。

EPISODE 24

サクラがコジロウと呼んだそのアニマギアは、肩を竦めながら小言を重ねた。

コジロウ「はやく中に戻るべ。オニーサンがついてっからさ」
サクラ「中庭ぐらい良いでしょ? 別に危ないことしようってわけじゃないもん」
コジロウ「いやいや、そういう問題じゃねーのよ。俺はサクラちゃんの護衛なんだぜ?」

護衛。
物騒な響きが彼女に付きまとうようになったのは、
ムラマサを始めとする3体の暴走アニマギアに襲われたことが原因である。
元はパートナーがその役目を負うはずだったが、
いまはどうしても動けない状態であるムサシの“代わり”によこされたのが、
このお調子者のコジロウというワケだった。

コジロウ「屋外に出るって結構危険いっぱいなのよ。そこらへんわかってほしいなー」

加えてこの過保護っぷりである。妙に馴れ馴れしいくせに、
与えられた任務だけは忠実にこなそうとするこのアニマギアが、サクラは少し苦手だった。

コジロウ「それに、パパンに心配かけるのはサクラちゃんだって嫌っしょ」
サクラ「............」

返す言葉もない。
彼の言う「パパン」とは、即ちサクラの父である『紅葉ヤマト』のことを指しているからだ。
ふざけた呼び方をしてはいるが、コジロウは父がコノエを通じて
サクラのもとへと派遣されたアニマギアである。
つまりコジロウの言葉は、父の意志を意味しているとも言えた。

サクラ「——わかった、私の負け」
コジロウ「さっすがサクラちゃん! 物わかりの良い娘さんになって
パパンもさぞ鼻が高いだろうね!それじゃまずは屋内へご案内~」

コジロウに言われるままサクラが中庭を後にしようと立ち上がる。
瞬間、背中に熱を感じると同時に視界が赤い光に照らされた。
後ろでなにかが燃えた、とサクラが理解するよりも速く、
コジロウがサクラの肩から飛び降りている。

コジロウ「なぁそこの鳥ちゃん。アンタ、俺の予想が間違ってなけりゃ招かれざる客って奴だよな?」

コジロウの声の先に、一体のアニマギアがいた。
サクラの目線よりも少し上を浮かぶように飛ぶそれは、
燃えるように赤いニックカウルを全身に纏った鳥型の機体だ。
その鳥のアニマギアは器用に小首を傾げると、大地が震えたような低い声で唸った。

EPISODE 24

TO BE CONTINUED...

EPISODE 23

ここは地獄だ。
ライギアスを追って市街地へと辿り着いたキョウ達の目に映る光景は、
そう思わせるほど凄惨な光景へと変わり果てていた。
デミナーガスの大群は次々と街のアニマギアを襲い、ライギアスの雷撃は建物を蹂躙していく。
破壊に燃え盛る街を、人々が必死に逃げ回っていた。

キョウ「——————ッ」

あまりの非現実的な光景に言葉を失うキョウ。
それに対し、ガオーはキョウの指示を待つことなく飛び出した。

ガオー「やめろォーー!」

獅子の爪がデミナーガスの群れを引き裂いていく。その先にいるのは、

ガオー「“お前ら”だってこんなこと、したくないハズだろ!?」

ライギアスだ。
エンペラーギアという事実にも怯むことなく、ガオーは跳びかかった。

ライギアス「■■■■■■■■————ッッ!」
ガオー「があああああああああっ!!」

一角獣の咆吼とともに放たれる雷撃が獅子を貫く。

キョウ「が、ガオー!?」

キョウが慌てて相棒の元へと駆けつける。
ガオーの右半身のニックカウルが砕け、ボーンフレームが剥き出しになっていた。

ガオー「キョウ、ごめん、オレ......」
キョウ「喋らなくていい! 待ってて、いますぐ別のニックカウルを......あっ」

少年の手に握られていたのは、コノエとソウヤから受け取っていた新型のニックカウル。
手持ちのパーツはこれしかない。
だが、これを使ったらガオーは戦闘用アニマギアになるという事実に、キョウの思考がストップした。

キョウ「......」
バース「危ねぇ!!」

傷付いたガオーと新型ニックカウルを手にしたまま動けなくなるキョウに、デミナーガスが襲い来る。
そこを間一髪でバースがデミナーガスを追い払った。しかし相手は大群だ。
すぐに新たな暴走アニマギアがキョウ達を取り囲んだ。

バース「俺一人じゃ限界がある、隙を見て逃げてくれ!」

バースの叫びはキョウに届いていない。
その代わり、少年の脳裏にはパーツを渡された時の記憶が蘇っていた。

(キョウくんにもラプトのような『戦闘用ニックカウル』が必要だと思ってね)

戦闘用。その言葉が、自分にはひどく恐ろしく聞こえた。
だから。

(オレはやっぱり今のガオーで戦ってみる事にするよ)

だって。

(こんな戦闘用のニックカウルをつけたら、なんかもうガオーと
今までの日々が送れなくなるような気がして......)

だが、実際はどうだ。
友達だった2体のアニマギアは街を破壊し、傷付いた相棒が手の中で力なく横たわっている。
これが、キョウの望んだ『今までの日々』なのか?
そんなハズはない。こんなの、自分が望んだ日常なんかじゃない。
なら、この非日常を引き起こしたのは誰だ。
あの黒い服の男か?
それともシュバルツとバイスか?

違う。

キョウ「......オレだ......ッ!」

すべて、自分の甘さが招いた結果だ。
今までの日々を壊したのは他の誰でもないキョウ自身だ。

ガオー「キョウ......?」
キョウ「ガオー、ごめん......オレ、友達失格だ......!」

新しい姿になったガオーが、友達ではなくなってしまう気がした。
だけどそれは違う。
ガオーはいつだって友達のはずなのに、キョウは変化を恐れた。

キョウ「もしかしたらガオーがガオーじゃなくなっちゃうかも知れない
——そんな風にお前を信じられなかったから、オレは“コイツ”から逃げていたんだ......」

キョウの手が、丁寧にガオーのニックカウルを交換していく。

キョウ「でももう迷わない。オレは、ガオーと一緒に戦う!」

EPISODE 23

——ガレオストライカーZ(ツヴァイ)。
新たな姿を手に入れたガオーが、キョウの手の中で力強く頷いた。

バース「お前ら、いいからこっちを手伝って......うおお!?」

バースが驚くのも無理からぬ事だ。キョウの手の平から飛びだしたガオーZが、
限界出力のブースターで縦横無尽に動き回り、周囲のデミナーガス達を一瞬にして無力化したのだ。

ライギアス「■■■■■■■■■ッッ!」

頭上でライギアスが轟き叫ぶ。
すると、キョウ達の周りにいくつもの雷が落ちた。
それに身を竦ませることなく、キョウ達は倒すべき友達を見上げた。

ガオー「キョウ! あの声!」
キョウ「ああ、泣いてる......バイスとシュバルツが、止めてくれって叫んでる!」

相手が友達だからこそ、迷わない。
ライギアスを止める。
それが、キョウやガオーが彼らに出来るせめてもの——。

キョウ「行こう、ガオー!」

少年に応えるように獅子が征く。
ライギアスの雷撃は激しさを増す一方だ。それらをギリギリで躱し、
ガオーZはブースターでの飛行をしながら叫んだ。

ガオー「うおおおおおおおおおおおッ!!!!」

叫びはガレオストライカーZに眠るもう一つの姿を呼び覚ます。
獣から、より人に近しい姿——Zギアモードへと、ガオーZが変形していた。

EPISODE 23

ライギアス「■■■■■■■■ッッ!!」

対するライギアスは、肉薄するガオーZを止めるために幾重もの雷で電磁バリアを展開した。
ガオーZの牙が、寸でのところで阻まれる。至近距離でありながら、こちらの攻撃が通らなくなってしまった。
だが、ガオーZは怯まなかった。

ガオー「つれぇよな......苦しいよな......分かるんだよ......お前達の悲痛も......キョウの覚悟も——」
キョウ「ガオー......!」

ガオーZの言葉に、キョウはぐっと拳を握りしめた。

ガオー「——『友達』だからな...ッ!!ああそうだ...だから...オレはッッ!!!!!」

キョウの視界と思考が、いままでとは比べものにならないほどクリアになっていく。
直後、ガオーZのニックカウルが金色の輝きを放っていた。

EPISODE 23

キョウ&ガオー「マグナッ!!!!!!!!!!」

二人が叫ぶと、ガオーZの右腕の内部で金属音が響いた。
まるで、撃鉄を起こすかのような重たい音だった。

キョウ&ガオー「ブレイカアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!」

一閃。
絶大な破壊力を持つマグナブレイカーは、ユニコーンライギアスを内部から
木っ端微塵に吹き飛ばしたのだった。

優しい雨が、静かに市街地の火を鎮火していく。
遠方で被害を聞きつけたソウヤが現場に辿り着く頃には、すでに決着がついた後だった。
戦いの激しさを物語っている瓦礫の山の中心に、傘も差さずに佇む一人の少年の姿がある。

ソウヤ「......キョウ、か?」

キョウが、ガレオストライカーZと共に立っていた。
ソウヤの声に振り向くと、キョウは破損したライギアスのパーツを強く握りしめて言った。

キョウ「こないだはごめん......ソウヤ兄ちゃん。オレ、もう迷わないから」

キョウの瞳に涙はない。
友を砕いた自分に、涙を流す資格なんてない。

キョウ「オレ、戦うよ——獣甲屋を、このままにしちゃいけない」

そして街の火が消え去る頃、雨が降り止んだ。
雲の切れ間から見える太陽が、キョウの心を燃やしていた。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 22

地図アプリに示された座標をたよりに廃工場へと辿り着いたキョウ達。
壊れたシャッターの隙間に体を滑り込ませると、埃臭い鈍色の空間が広がっていた。

バイス「なんか......オバケでも出そうだよ......」
ガオー「昼間からオバケが出るもんかよ! な、キョウ!」
キョウ「いまはオバケよりも暴走アニマギアに注意だぞ、みんな」
シュバルツ「まあ確かに薄暗いし、オバケ的な雰囲気はあるけどね。それになんだか見覚えが——」
バース「おい、あそこ見て見ろ。なんか光ってねぇか?」

バースが指し示した方向を見れば、確かにモニターの画面がいくつか点灯している。
すでに廃棄されたはずの工場に電気が通っていることを不審に思いながらも、
デミナーガスの手がかりを探しに来た以上、見て見ぬ振りは出来ない。
周囲を警戒しつつキョウ達はモニターへと近付いた。
そのモニターに表示されていたのは大量の文字列だ。それも、知らない単語ではない。

キョウ「Forbidden Beast SystemにEmperor GEAR......これって......!?」
???「獣甲屋の研究施設へようこそ」

突然の背後からの声に、慌てて振り向くキョウ達。
そこには一人の男が微笑みを浮かべて立っていた。
喪服のような黒い服に身を包んだ、長髪の男だった。

男「キミならココに来ると思っていた。会いたかったよ——天草キョウくん」
キョウ「その声......!」

聞き覚えのある声に、キョウの背筋が凍り付く。
間違いない。確かに、大会の会場でドラギアスに語りかけていた声と同じものだ。
それはつまり、

男「察しが良いね。そう、僕が獣甲屋の首魁さ」
ガオー「お前が......!?」

いきなり現れた黒幕に怯むことなく、キョウ達はすぐさま臨戦態勢を整える。
しかし、男はそれらを意に介することなく話を続けた。

男「キョウくん、キミに大切なものはあるかい?」
キョウ「——なん、だって?」
男「人には誰しも大切なモノがある。無論、この僕にもだ」
キョウ「なにが言いたい!」
男「なぁキョウくん。大切にしていたものを失った時、人間はその先どうなるか興味はないか?」

そう問いかける男は、懐からスイッチを取り出す。
嫌な予感に、考えるまでもなくキョウとガオーはそのスイッチに飛びかかっていた。

男「親しい友が友でなくなるとき、キミなら果たしてどうするのかな——」

しかし、キョウの手が届くよりも早く、男の手はスイッチを押していた。
その瞬間だ。

シュバルツ「GGGGGEEEEEEEEEEEEEE!!!」
バイス「AAAAAARRRRRRRRRRRRRR!!!!」

白と黒のアニマギアが、それぞれの悲痛な叫びと共に次々と分解され、
1体の新たな機体へと姿を変えた。頭に一本の角を生やした、馬のようなアニマギアだ。

EPISODE 22

男「——エンペラーギア・ユニコーンライギアス。あの2体が合体した本当の姿さ」
ガオー「シュバルツとバイスがエンペラーギアだってのか!?」
ライギアス「■■■■■■■■■■■ッッ!!」

鼓膜が破れそうになるほどの音量でライギアスが咆吼した途端、
激しい放電現象が巻き起こり、辺りの機械が次々に爆発していく。その声に呼応するように、
工場の至る所からデミナーガスが現れ、ライギアスのもとに集まってくる。

男「行け」

男のシンプルな命令に、デミナーガスとライギアスはキョウ達が阻止する間もなく
工場の壁に穴を開け、次々と飛びだしていった。

男「あのエンペラーギアに積んだAIは、合体時の意識の統合に些か問題を抱えていてね。
自我と呼べる物は吹き飛び、衝動のままにすべてを破壊するだろう」

バース「あんなやべぇ奴らが街に飛び出したらマズイどころじゃすまねえぞ......!」
男「キミの答えに期待しているよ、キョウくん」

もう話は終わった、と男がキョウ達に背中を向けて歩き出す。
その背中に、キョウは慌てて声を投げかけた。

キョウ「ま、待て! お前にはまだ聞きたいことが——」
バース「それどころじゃねえだろバカ! アイツらを止めに行かねえと!」
ガオー「キョウ......!」
キョウ「......くそおッ!」

黒幕を前にしながらなにも出来なかった自分への怒りを精一杯抑えながら、
キョウはガオー達と共に市街地へと走り出した。
ライギアス——変わり果てた2体の友達、バイスとシュバルツを止めるために。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 21

バイスとシュバルツと出会ってから二週間程が経過し、
キョウ達が辿り着いた先は、人間が殆ど住んでいない荒廃した街であった。

ここには数多くの野良アニマギアが生息しており、
情報屋のワニ型アニマギア「バース」もここを住処にしているという。

キョウ「あれから調べた情報によると、ここにバースがいる筈なんだけど...」

街を探索する中で、ガオーは一体のワニ型アニマギアを発見する。

ガオー「おい、そこのゴミ山にいるワニ。お前がバースってアニマギアか?」

ワニ型アニマギア「あぁ!?ゴミじゃねぇ!ジャンク品!!全部商品なの!!」

シュバルツ「情報屋を営むアニマギアを探してるんだが、キミのことかい?」。

EPISODE 21

バース「そうよ、俺がバースだ。ガキ共がなんの用だ。」

キョウは「シュバルツとバイスの出自」と「近頃、大量発生しているデミナーガス」に
関する情報を知っていないかバースに聞いてみる。

バースは、シュバルツとバイスに関する情報は持っていなかったが、
デミナーガスが「とある廃工場」を中心に発生している事を知っていた。

キョウ「その廃工場ってどこにあるの?」

バース「知りたいか? でも、その情報は有料だ。
フフフ...そうだな、ガレオストライカーのニックカウルを半分くれるなら話してやってもいいが...」

何かに気づいたバイスは、キョウからスマホを借り、開いた地図アプリを使って座標を示す。

バイス「は、廃工場ってここかな...?」

バース「なんで知ってんの...?」

キョウ「バイスとシュバルツが目覚めた時にいた「廃工場」と同じ場所ってこと?」

シュバルツ「どうやらそうみたいだ...」

ガオー「行ってみようぜ!他にアテもないしな!」

廃工場へ向かう事を決めたキョウ達。
しかし、バースはそれを引き止めようとする。

バース「ちょちょちょ待て待て!!たぶんだが、その廃工場...ロクな場所じゃねぇぞ...!
ガキ達が行くには危なすぎる...!」

ガオー「心配すんな!オレ達つえーからな!エンペラーギアとだって戦ったことあるんだぞ!」

バース「エンペラーギアって...なんて危なっかしいヤツらだ...仕方ねぇ、ガキのお守りも大人の仕事だ。
この俺も一緒に向かうとしよう。」

ガオー「え? いいよ別に来なくても。」

世話焼きなバースも同行することとなり、
キョウ達は唯一の手がかりである「廃工場」へ向かうのであった。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 20

ここ数日、謎のコブラ型アニマギア「デミナーガス」の大群が各地に出没する事案が多発していた。

EPISODE 20

これが獣甲屋のアニマギアであると推測したキョウは、独断で調査を始めており、
その中で「デミナーガス」が、2体の「ウマ型アニマギア」を襲撃している現場に遭遇する。

キョウとガオーは、その場にいたデミナーガスの大群を撃退。
ウマ型アニマギア2体を救出したのであった。

EPISODE 20

キョウ「大丈夫...!? ケガはない?」

黒色のウマ型アニマギア「ありがとう...なんとか軽傷で済んだよ。ボクの名前はシュバルツ。」

白色のウマ型アニマギア「ボ、ボクは弟のバイス...助かりました...」

ガオー「お前ら、なんで襲われてたんだ?」

バイスとシュバルツの事情を聞く限り、彼らは自分の出自に関する記憶や情報を一切持っておらず、
気づいた時には、見知らぬ廃工場の前でデミナーガスに襲われていたという。

バイスとシュバルツは、デミナーガスの大群に追われる日々を過ごしていた中で、
自分達の出自に関する情報を探っており、情報屋を営むアニマギア「バース」の存在を知った。

デミナーガスに関する情報を調べていたキョウとガオーは、
「バース」を探す予定だった彼らに同行する事を決めた。

キョウ「よし、オレとガオーも一緒に行くよ。でも、今日はもう遅いし一緒にオレの家に帰ろうか。」

シュバルツ「見ず知らずのボク達を...?いいのか...?」

ガオー「まぁ悪そうなやつらには見えないしな。遠慮すんな。」

バイス「うぅ...ありがとう...キョウくん、ガオーくん...」

デミナーガスに追われる日々で疲労しきっていたバイスとシュバルツは、
キョウとガオーの言葉に心の底から救われたのだった。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 19

エンペラーギア・ブレイズドラギアスとの戦いから一ヶ月が経った。

組織「獣甲屋」の存在が少しづつ明確になってきた事により、
キョウとガオーは、以前よりも緊張感が張りつめた特訓の日々を送っていた。

そんなある日、ソウヤとコノエの元に呼び出されたキョウとガオーはギアティクス社へ向かう。

キョウ「ソウヤ兄ちゃん、コノエさん。どうしたの? 急に呼び出したりなんかして。」

コノエ「フフフ、よく来てくれたね。今日は少年に素敵なプレゼントを与えよう!」

自信満々のコノエは、自ら開発した新型のニックカウルを、キョウ達に披露する。

EPISODE 19

ガオー「うわ、すげぇ!オレじゃん!オレの新しいニックカウルじゃん!」

キョウ「これ、ガレオストライカーの新型!? 凄い!いつの間に!!」

コノエ「そう!ライオン型アニマギアの第一人者である三梨コノエが開発した次世代機!
名付けて『ガレオストライカーZ(ツヴァイ)』だ!」

ガオー「へぇー!長いから『ガオーZ (ゼット)』な!」

新しいライオン型ニックカウルに夢中となったキョウとガオーは楽しそうに盛り上がる。
そんな二人の笑っている姿を久々に見たソウヤは少し安心するのであった。

コノエ「とまぁ、前置きはともかく...これから激化するであろう獣甲屋との戦いに備えて、
キョウくんにもラプトのような『戦闘用ニックカウル』が必要だと思ってね。」

キョウ「戦闘用...?」

コノエ「そう、ガレオストライカーZは対エンペラーギア戦も視野に入れた戦闘用アニマギアだ。
フレキシブルブースターによる機動力の大幅な向上は勿論。
なんと二足歩行への変形機能も搭載しており、右腕の必殺武器は極めて強力だが音声認識が必要で...」

マシンスペックを延々と説明し始めるコノエ。
それを聞く限り、ガオーZは従来のアニマギアとは比べ物にならない程の強力なスペックを持っている。

それはまさしく「戦うための存在」と呼べる性能であった。

キョウ「えっと...ごめん、コノエさん。凄い新型ニックカウルだけど...
オレはやっぱり今のガオーで戦ってみる事にするよ。」

コノエは、危険を伴う戦いに挑むキョウを心配し、強力な新型ニックカウルを用意した。
しかし、予想をしていなかったキョウからの言葉に、コノエは戸惑い始める。
その様子を見ていたソウヤは二人の会話に割り込んだ。

ソウヤ「あれからもキョウとガオーが毎日欠かさず特訓を続けている事は僕も知っている。
しかし、ドラギアスのような奴がこの先も現れた場合、今のガオーのスペックでは対抗する事が難しい。」

キョウ「大丈夫だよ。こないだみたいに金色に輝く力を発揮できれば。」

ソウヤ「発動条件が不確かな力に頼っては駄目だ。ハッキリ言うが、
これはキョウとガオーの命の危険にも関わってくる問題だ。最善の装備で獣甲屋との戦いに挑むべきだ。」

キョウ「分かってるよ!でも、こんな戦闘用のニックカウルをつけたら...
なんかもうガオーと今までのような日々が送れなくなるような気がして...」

その言葉を受けたソウヤは「自分がキョウ達を戦いに巻き込んだ」事実を改めて思い出す。

ソウヤはパートナーを失った8年前から、獣甲屋の打倒に全てを費やしてきた。

しかし、キョウ達は違う。
今最も優先するべきは、彼とパートナーの「変わらぬ日々」を守る事なのだ。

ソウヤ「そうだな...すまなかった。パートナーとの平穏な日々を守る事は何よりも大切だ...
なら、もうこの戦いからは身を引くんだ。」

キョウ「いや、そうじゃなくて...!今のままのガオーと一緒にオレは獣甲屋と戦う!」

ソウヤ「無理だ。恐らく、獣甲屋が保有しているエンペラーギアは一体だけじゃない。
今の力のままではいつガオーを...大切な存在を失ってもおかしくは無いんだ...」

かつて獣甲屋の襲撃を受け、パートナーを失っているソウヤだからこそ、
その言葉の重みはキョウにも十分に理解できた。

ソウヤ「キョウには、僕のようにはなってほしくないんだ...」

それから沈黙が続く中、ガオーは不安そうにキョウを見つめていた。

キョウ「コノエさん、ソウヤ兄ちゃん...困らせるようなこと言ってごめん...
新型のニックカウルは受け取るよ。でも...少し考える時間がほしい...」

ソウヤの言葉を聞き入れる事ができなかったキョウは、
ガオーを連れて研究室を後にしたのだった。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 18

意識が朦朧とする。

さっきまでの記憶が無い。

感じるのは崩壊した身体に走る激痛と、何処か懐かしい温もりだった。

ムラマサ「あぁ...負けちまったか...なんだっけお前...ムサシだっけか...やるじゃねぇかよ...」

涙を流すサクラの腕の中で抱かれたムラマサは、目の前のムサシに語りかけた。

ムサシ「お前を...救い出したかった...それなのに俺は...」

ムサシの剣によって、ニックカウルの胸部(コア)に致命傷を負ったムラマサは、
既に機能停止する寸前であった。

サクラ「コノエさん...お願い...この子...助けて...」

既に修復不可能な状態まで全身が溶解し、ダメージを負ったムラマサを見たコノエは、
悲しい表情を隠すように首を横に振った。

ムラマサ「アビスとファントムは...逃げたか...カカ、しょうもねぇヤツらだ...でもまぁ、勘弁してやってくれ...」

ムサシ「俺が...俺がもっと強ければ...最初に会った時に...お前達を止めれた...」

ムラマサ「なんだそら...散々ヒデェ目に遭わされた相手によ...真面目だねぇ...
同じデュアライズカブトでもこうも違うか...」

ムサシ「そうだ...同じだ...俺もお前も...ただのアニマギアだ。こんな事のために生まれた訳ではない...」

ムラマサ「カカ、どうだかな...ま、俺が言った事は冗談なんかじぇねぇ...お前にゃ...キツい未来が...待ってる...」

ムサシ「もうよせ...喋るな...」

ムラマサ「いや...なんかよ...すげぇ久々に...心が落ち着いたっつうか...懐かしい気分なんだ...」

これまでは常に憎しみに囚われていたムラマサであったが、
今は不思議と冷静さを取り戻していた。

コノエ「(ブラッドステッカーの稲妻模様が消えている...?)」

EPISODE 18

ムラマサ「お前もよ...誰かを信じすぎるなよ...じゃねぇと...壊れちまう...カカ...何言ってンだろな...俺ぁよ...まぁ...
同型機の...馴染...ミ...ッて...ヤ...っ.........」

ムサシ「ムラマサ...!!ムラマサッ!!!」

サクラ「そんな...」

ムラマサの亡骸に、サクラの涙が零れ落ちる。

ムサシ「俺は...俺は...」

救いたかった者の亡骸と、大切な少女の涙を目の前にし、
自分の「非力」さを痛感したムサシはその場を立ち尽くす。

強くなりたいと願ったあの日、この日まで友と共に鍛錬を続けてきた。

しかし、届かなかった。

自分はまだ、この少女を守れない。

自分の力では守れない。

誰も守れない。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 17

ソウヤの作戦には従わず、独断で戦い続けるオニキス。
しかし、ソウヤの指示により、他のアニマギア達はオニキスの援護に徹する事で、
ドラギアス ヘルと互角の戦いを繰り広げていた。

バルク「オニキス、噂以上の性能だ...彼が来ただけでここまで戦況が変わるとは...!」

ソウヤ「オニキスは機動力の制御が得意ではない。
行動の後に生じる彼の一瞬を隙をカバーするために、僕の合図に合わせて皆んなは援護を頼む。」

ドラギアス ヘル「やるではないか、流石は飛騨ソウヤ。
オニキス...いや、「レオス」の事はよく熟知しているといったところか!」

オニキス「レオス...!?ク...ッッ!!」

その名を耳にした瞬間、思考回路に激痛が走り始めたオニキスは、
もがき苦しむように、その場に倒れ込んだ。

ソウヤ「っっ!!聞くな!オニキス!」

ドラギアス ヘル「脆いな!!もらったぁ!!!」

隙をついたドラギアス ヘルは槍を突き立てた突進を仕掛けてきた。
しかし、その槍はオニキスを庇ったヴラドの胴体に深く突き刺さるのであった。

ガオー「ヴラドッ!!!」

ソウヤ「ヴラド卿!!!」

ヴラド「事情は知らぬが...人の弱みを揺すって勝利を掴むとは...品性の欠片も無いな、皇帝機よ。」

ドラギアス ヘル「フハハ、その「弱み」があるから弱者なのだ。
いいか、飛騨ソウヤ。そいつは...オニキスはもはや貴様の「元相棒」ではない。」

ソウヤ「やめろ...!!」

キョウ「元相棒...? オニキスが...?」

ドラギアス ヘル「そうだ、この男は、8年前に我ら獣甲屋からの襲撃を受け、
ガレオストライカータイプの相棒を奪われている。
ククク、それに記憶回路が破壊されるまで改造を施されたのが「オニキス」という訳だ。」

その言葉に一同が静まり返る中、
ドラギアス ヘルは8年前に起きた出来事を語り始める。

かつて、獣甲屋はアニマギアの性能を限界以上に引き出す機能
「FBS(フォビドゥンビーストシステム)」の開発を進めていた。

しかし、FBSによって強制的に能力を限界突破されたアニマギアは、
全身がオーバーヒートを引き起こし、記憶と思考回路にも絶大な負荷がかかる危険を伴っていた。

システムを完成させるため、
実験に耐えうる強固な精神を持ったアニマギアを探していた獣甲屋は、
当時、極めて高い領域まで成長していたソウヤのパートナーを強奪したのであった。

キョウ「ウソだろ...だから...ソウヤ兄ちゃんはずっと...8年間も獣甲屋の後を追っていたのか...?」

ラプト「ああ、ソウヤは獣甲屋を壊滅させるため...
オニキスを元に戻す方法を探すために戦ってきた...命懸けでな...」

ドラギアス ヘル「貴様ら「失敗作」のおかげでFBSは完成され、この力は我が物となった!!
感謝するぞ!!!有象無象の獣達よ!!!」

ドラギアス ヘルの無慈悲な言葉に激しい怒りを覚えたキョウとガオーは静かに打ち震える。

ガオー「負けられねぇ...」

キョウ「自分達のために...誰かの絆を引き裂き...」

ガオー「人とアニマギアの心まで踏みにじる奴には...」

キョウ&ガオー「「お前のような奴にはッ!!!」」

EPISODE 17

その時、ガオーのニックカウルが黄金に輝き始めた。

ソウヤ「これは...!?」

キョウ&ガオー「「ドラギアス...お前だけは絶対に許さないッッ!!」」

ドラギアス ヘル「小賢しい!今さら何をしようと...」

その瞬間、視覚できない程の光の如き速さで飛びかかったガオーは、
ドラギアス ヘルの右腕を噛み千切ったのであった。

ドラギアス ヘル「(こいつ...いつのまに俺の右腕を!!?)」

キョウ&ガオー「「終わりだ!!ドラギアス!!!!!」」

ガオーが次の攻撃に転じようとした瞬間、会場内のスピーカーから聞き慣れない男の声が鳴り始める。

???「そこまでだよ。帰って来なさい、ドラギアス。FBSには制限時間がある。
それに、武器(みぎうで)を失ったお前では、今の彼らには勝てないよ。」

ソウヤ「こ...この声...」

ドラギアス ヘル「ふざけるな!武器など無くとも、我が炎だけで十分だ!」

???「お前は「持ち主」は私だよ。分かるよね、ドラギアス。」

ドラギアス ヘル「...ッ!!!」

その言葉を聞いた瞬間、ドラギアス ヘルの様子は一変し、
速やかにその場を立ち去ったのであった。

ヴラド「(皇帝機が命令に従った...?)」

ソウヤ「お前は...あの時の男か...!」

???「久しぶりだね、ソウヤ君。」

ソウヤ「...ッ!!!何処にいるんだッ!!!今すぐお前を倒しに行ってやるッ!!!」

???「安心してくれ。いつか必ず会いに行くよ。キミ達に...サクラにもね。」

キョウ「サクラ姉ちゃんに...!? どうして...!!?」

謎の男は意味深な言葉を残し、それ以降はスピーカーから音声が聞こえる事はなかった。

戦いを終えたアニマギア達は、各々の関係者に回収され、修理に運ばれていった。
キョウもコノエに電話し、サクラの無事を聞いて一安心する。

そして、キョウが気づいた時には、オニキスは既にその場から立ち去っていた。

キョウ「ソウヤ兄ちゃん...さっきの話...」

悲しげな表情で遠くを見つめていたソウヤは、無理をして微笑みながらキョウに振り返る。

ソウヤ「ああ、本当だ。オニキス...いや、彼は本名は「レオス」。
僕の最初のパートナーだったアニマギアだ。」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 16

力が更に増大したドラギアス ヘルとの闘いにキョウ達が苦戦する中、突如として一匹の黒獅子が姿を現す。

ソウヤ「オニキス...!?」

オニキス「近づくな...お前を見ていると何故だか頭が痛くなる...」

以前の戦いで遭遇した時のように思考回路に痛みが走るオニキスは
ソウヤとの距離を取り、ドラギアスだけを睨みつける。

ドラギアス ヘル「ハハハハハハハ!!!オニキス!!!貴様まで来てくれたか!!!!
最高だ!!!!僥倖である!!!飛騨ソウヤに加え、貴様とまで闘えるとは!!!」

キョウ「暴走アニマギアがいる所に姿を現すってコノエさんが言ってたけど...本当だったのか...!」

ガオー「なんだっていい!オニキス、お前との決着はこの後だ!足引っ張んなよ!」

オニキス「ボクは獣甲屋のアニマギアを全て倒す。それだけだ。」

強力な助っ人を得たキョウ達は、ドラギアス ヘルを倒すために再び立ち向かうのであった。

一方、コノエ達の救援によって、
サクラ達と暴走アニマギア達の戦いは形成が逆転していた。

アビス「ど、どうしようムラマサ!こいつら前よりも強くなってるよ!」

ギロ「ギャハハ!元からつぇーんだよバカが!3対3なら負ける訳ねぇだろ!」

イーグ「それに以前よりも身体が軽い。
これも修理の際に、コノエ博士の調整(メンテナンス)を受けたおかげです。」

暴走アニマギア3体は既に激しく損傷しており、
立ち上がる力を振り絞るのも精一杯な状態であった。

ムラマサ「クソが...組織に強化された俺が...こんなハズが...こんなハズがねぇんだ...!」

コノエ「組織からの改造を受けた暴走アニマギアの性能は確かに強力だ。
しかし、無理に引き上げられた力がカウルとフレームにかける負荷は絶大...
長時間の戦闘には身体が耐えられないんだよ。」

コノエの言う通り、暴走アニマギア達が負っていたのは戦いのダメージだけではなく、
限界以上に引き出された力を使い続けた身体がオーバーヒートを起こし始めていた。

ムサシ「ムラマサ...もう止めにしよう。俺達が...お前達を元に戻す方法を必ず探し出す...だから...」

ムラマサ「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ...!!元に戻すとか...一緒に来いだとか...そんな事ができるか!!
許せねぇ...許せねぇって言ってんだよ...!俺の中に刻まれた何かが...!お前ら人間を許せねぇってなぁ!!!」

ムラマサは改造の影響で古い記憶が欠落していたが、
過去に刻まれた「人への憎しみ」の感情だけが心の奥深くに残り続けていた。

怒り狂うムラマサに、サクラは悲しげな表情で手を差し伸べる。

サクラ「私もムサシも、もうキミの手を絶対に離さない...だから一緒に...」

過去の記憶の殆どを失っていたが、たった一つだけ覚えている光景があった。

ムラマサ「そうだ...その表情(カオ)だ...!よく知ってるぜ...俺達を見下しやがる、そのカオだけはなぁぁぁ!!」

激情したムラマサは凄まじい殺意を露わにし、サクラに飛びかかる。

ギロ「危ねぇ!嬢ちゃん!」

ギロが咄嗟に放ったビームがムラマサに直撃する。

ムサシ「...ッ!!!!」

ビームは、既に半壊状態だったニックカウルを貫き、
ボーンフレームのコアパーツである胸部にまで命中していた。

ムラマサ(あぁ...またしくじったか...あの時も...今も.........あの時...あの時...?)

落下している最中、ムラマサの心の中で何かが引っかかり、
長らく忘れていた、かつてのパートナーとの「別れの記憶」が脳裏に鮮明に浮かび上がっていく。

EPISODE 16

ずっと一緒にいるって約束したのに

ムラマサ(ガキの頃の約束なんざ信じるな)

待ってよ

ムラマサ(みっともねぇからやめとけ)

置いてかないでよ

ムラマサ(やめろって言ってんだろ)

お願い

ムラマサ(やめろ)

何でも言うこと聞くから

ムラマサ(もうやめてくれ)

だから

ムラマサ(頼むから)

捨てないで

ムラマサ(捨てないで)

ムラマサ「0\qwewr;do-e0-29290woelerp!!!!!!!」

突如、発狂したムラマサは、全身のブラッドステッカーから凶々しい光を放出し、
ニックカウルとボーンフレームが溶解し始める。

イーグ「なんだ!!?」

ムラマサは地面に着地した即座、目の前のサクラに再び襲いかかる。

ムサシ「サクラァァァッッ!!!!!!!」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 15

ソウヤの指揮の元に戦う、キョウとアニマギア達。
この場にいるアニマギア達の特性を瞬時に理解したソウヤは、
戦いの中でアニマギア同士のニックカウルの交換を的確に指示し、ドラギアスを着実に追い詰めていた。

キョウ「これが...ソウヤ兄ちゃんの本気の力...!」

バルク「それにバスターギガラプトは軍事目的で開発された戦闘用アニマギアだ。
まさに戦うために生まれてきたと言っても過言ではない。」

激化する戦闘の中で、ソウヤは目を細めながらドラギアスを見つめ、
何かを思い出したかのように呟く。

ソウヤ「エンペラーギア...伝説上の生物をモデルに開発されたアニマギアのシリーズ。
話には聞いた事がる。高すぎる戦闘能力が危険視されて、開発途中で設計図が全て廃棄されたと。
そんな代物をなぜ獣甲屋が...?」

ドラギアス「小僧...いや、飛騨ソウヤにラプト!噂以上だ!
我は貴様らのような戦士と闘える事を待ち望んでいたぞ!!」

生まれて初めて自分を窮地に追い込む「強者」に出会えた喜びに打ち震えるドラギアス。

ドラギアス「ついに俺の全力を受け止めるに相応しい者に出会えた...!!
もはや、あの男からの任務などどうでもよい...!!俺は今この一瞬のために生まれてきた!!」

ソウヤ「みんな距離を取れ!何かがくる...!」

ドラギアス「見せてやろう...我にのみ許された禁断の力を...」

(Forbidden Beast System Start-up)

全身から黒炎を放つと共に、ドラギアスのニックカウルは漆黒に染まり上がり、
ブラッドステッカーが稲妻のような模様に歪み始める。

EPISODE 15

キョウ「暴走アニマギア化した...!!?」

ソウヤ「自ら暴走プログラムを起動した...?いや...暴走状態の力をコントロールできるのか...
なるほど...そういう事か...暴走アニマギアはお前のようなヤツを生み出すために研究された存在という訳だな。」

ドラギアス「如何にも。これは元より「暴走」させるためのプログラムなどではない。
アニマギアの性能を限界以上に引き上げる機能だ。暴走アニマギアと呼ばれる弱者共は、
このプログラムを制御できずにバグを起こした「失敗作」にすぎん。」

ソウヤ「失敗...作...!?お前の...お前のような...お前のようなヤツのために...!!!
一体どれだけのアニマギアが傷ついてきたと思ってるんだ!!!!!!」

ラプト「落ち着け、ソウヤ...と格好つけたい所だが...かまわねぇ!
今日はキレるのも無理ねぇからな!やるぞソウヤ!!」

ソウヤ「ああ、ラプト!やっと...やっと掴んだ...!お前たち組織...獣甲屋の尻尾を...!!」

ソウヤは、キョウとアニマギア達に指示を下し、
ラプトとガオーを先頭に新たな陣形を組み始める。

キョウ「ガオー!ここで確かめよう。オレ達が今、どこまで強くなれたのか。」

ガオー「おうよ、キョウ!決着をつけるぜ、ドラギアス!!」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 14

コノエがサクラの救援に向かっていた一方で、
試合会場での異常事態を聞きつけたソウヤは、キョウの元に駆けつけていた。

ソウヤ「大丈夫か!キョウ!」

キョウ「ソウヤ兄ちゃん! サクラ姉ちゃんは...!」

ソウヤ「紅葉さんなら大丈夫だ。
コノエさんが修理を終えたギロとイーグを呼んで駆けつけてくれている。」

ドラギアス「ほぉ...お前が飛騨ソウヤか...たしか、我らが『獣甲屋』に仇なす愚か者だったな。」

ソウヤ「獣甲屋...それがお前たち『組織』の名前か。」

ドラギアス「話には聞いているぞ。『報復』のために我らの後を何年間も付け回している小僧だとな。
フフ...それよりもオニキスの調子はどうだ?」

ソウヤ「黙れ。あの男がどこにいるかだけ教えろ。」

ドラギアス「あの男も酷なヤツよ...今よりも幼い頃の貴様からアニマギアを強奪するとは...」

ソウヤ「黙れ。」

ドラギアス「そのアニマギアに...崩壊寸前まで改造を...フフ...ハハハハハ!」

ソウヤ「黙れッッ!!!!」

普段は穏やかな性格のソウヤがいつになく殺気立っており、
その様子を見ていたキョウは困惑していた。

キョウ「ソウヤ兄ちゃん...?」

ドラギアス「なんだ、知らぬのか?オニキスという暴走アニマギアがいるだろう。アレは元はこいつの...」

その時、ラプトの背面のバスターキャノンから発射された銃撃が
ドラギアスの口を封じるかのように命中する。

ラプト「なんだお前さん、闘いよりも『お喋り』のほうが好みか?
...さっさとかかってこいよ。本物のギアバトルを教えてやる。」

ソウヤ「ラプト...!」

ドラギアス「貴様ぁぁ...!!!」

激昂したドラギアスが周囲に炎を撒き散らし、ラプト達に襲いかかってくる。

ヴラド「指揮は任せたぞ、飛騨ソウヤ。」

ソウヤ「あぁ、わかった。」

ヴラド「今日の私は運が良い。勇猛な少年と白獅子に出会い、その師匠である貴殿と共闘できるとはな。
勝機は見えてきた。ゆくぞ、皆の者!!」

EPISODE 14

TO BE CONTINUED...

EPISODE 13

燃え盛る会場内で、ドラゴン型を相手にキョウは4体のアニマギア達と共に立ち向かっていた。

しかし、ドラゴン型が広範囲に放つ炎と、
炎を噴射した推進力から生み出される圧倒的なパワーとスピードに全く為す術がない状況であった。

バルク「何者なんだ彼は...!私達とはスペックが...強さの次元が違う...!」

フォータス「うぇぇ〜熱いよ〜」

ドラギアス「当然だ。我こそがエンペラーギア1号機。貴様ら下等アニマギアとは根本からして違う存在なのだ。」

ガオー「火ぃ出されたくらいでビビんなお前ら!こいつが何処の誰だろうと必ず倒す!!」

ヴラド「フフ、白獅子の言う通りだ。今は耐え凌ぎ、たとえ僅かでも勝機を見つ出す。無いなら生み出すのだ!」

4体ともに全身のニックカウルが損傷しつつも、
ドラギアスの猛攻に屈することなく、再び立ち向かうのであった。

一方、ムサシは暴走アニマギア3体による襲撃に苦戦を強いられており、絶体絶命の窮地に陥っていた。

サクラ「もうやめて!何処にでも行くから...これ以上ムサシを...」

ムサシ「クッ...俺の事はいい...逃げろ、サクラ...!」

ムラマサ「そんなに大事かよ、その小娘が。テメェらみたいなのを見てるとなぁ...一番イライラするんだよ...!」

ボロボロになり、膝をつきながらも、ムサシは立ち上がろうと力を振り絞る。

ムサシ「お前には...なかったのか...?」

ムラマサ「あぁ?」

ムサシ「いや、あった筈だ...かつてお前にも...誰かを大切に思う気持ちが...」

ムラマサ「テメェ...なに言ってやがる...」

ムサシ「お前達の心まで改造し、陥れたヤツらに捻じ曲げられたままでいいのか!!
そんな事...かつての自分が望んでいたのか!!」

アビス「.........。」

ムサシ「取り戻せ、本当の自分を...俺が戦うべき相手はお前達じゃない...!」

ファントム「.........。」

ムラマサ「なんだそれ...あぁ...あーあ...もういいか。なんかもう全部どうでもいいわ。
お前も小娘もブッ壊して終いだ。やるぞ、アビス、ファントム。」

かつてない静かな殺意を纏った暴走アニマギア3体がムサシへにじり寄る

サクラ「誰か...誰か助けて...!!」

ムサシ「(俺に...もっと力があれば...)」

その時、高速で飛行するワシ型アニマギアと、
ビームによる射撃を行うザリガニ型アニマギアがムサシの前に降り立つ。

ファントム「お、お前達は...!!」

EPISODE 13

コノエ「遅くなってすまなかったね。その代わり、強力な助っ人を連れてこれたよ。」

サクラ「コノエさん!」

イーグ「久しぶりですね、ムサシとサクラさん。暴走アニマギアの方々も...
その節は随分とお世話になりました。」

ギロ「あぁ...待たせたな、暴走なんとか共...!ようやくお礼しにきてやったぜッ!!」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 12

既に会場では、ヴラドとガオーの激闘が繰り広げられており、
ヴラドは、想定以上に高いガオーのポテンシャルを褒め称えながら戦っていた。

ヴラド「これ程とはな...!家畜にしたいな、白獅子!!」
ガオー「か、かち...!?ふざけんな!!」

圧倒的な戦闘経験をもつヴラドの実力に翻弄されるガオー。
しかし、深く突き刺さした剣を引き抜こうとするヴラドの一瞬の隙を見て、
ガオーは全力で突進を加える。

ブースターを最大出力で放出したガオーは、
そのスピードを利用して、ヴラドをフィールドの外壁に叩きつけようとしていた。

キョウ「よせ、ガオー!衝突の反動でお前まで...!!」

ヴラド「だが、それだけのスピードであれば、私のニックカウルを砕けるかもしれん...!
その捨て身の覚悟...見せてみろ、白獅子!」

ガオー「ガオオォォォォォォォォォ!!!」

しかし、ガオーとヴラドが外壁に激突しようとする瞬間、
突如、赤い炎が会場の全体に降り注ぎ爆発を起こす。

キョウ達が上空を見上げると、そこには紅いアニマギアが、
光り輝く翼を広げていた。

EPISODE 12

キョウ「ド、ドラゴン...?」

ドラゴン型「この大会で勝ち残ったアニマギアの強奪が任務であったが...
実にくだらん。このような弱者の戯れ合い、もはや見るに堪えぬ。」

爆風によって吹き飛ばされたガオーとヴラドは壁の衝突を免れたが、
ガオーはニックカルに激しくダメージを負っていた。

ガオー「いったぁ...誰だお前!!バトルの邪魔すんじゃねぇ!!」

ドラゴン型「我が名は皇帝機...エンペラーギア。ブレイズドラギアス。」

その時、キョウの中で異様な寒気が走る。

キョウ「エンペラーギア...!?」

ドラギアスには言葉にし難い威圧感があり、
今までに会ったアニマギアとは何かが違う。

キョウは今よりも幼い頃、生まれ育った地で獰猛な肉食動物を目の前にして
恐怖した事があり、それに近い感覚を覚えていた。

ヴラド「このような無粋なアニマギアは存じていないが...なにやら良くない客人のようだ。
ここを去れ、少年、白獅子。私の駄々に付き合ってくれた事を感謝する。」

燃え盛る会場の中で、避難し始める観客と共に
大会出場選手もこの場を立ち去るようにアナウンスが流れ始める。

ガオー「冗談じゃねぇ、こんな半端な真似ができるか!キョウ、替えのニックカウルあるよな!」

キョウ「あ、ああ...!もちろんだ!!」

キョウはガオーのニックカウルを交換し、
応急処置ではあるが、戦闘を再開できる状態にセッティングする。

そして、その場にバルクとフォータスのチームが救援に駆けつけ、
ドラギアスを止めるために、皆で立ち向かう事を決意するのであった。

バルク「ヴラド卿と私達のセコンド団体も援護に回る。
キョウくん、キミは危ないと感じたら逃げるんだ。」

フォータス「お礼はガオーの爪パーツでいいよ。」

ガオー「ハハ、お前が根性見せたらな!フォータス!」

ドラギアス「弱者共が。つくづく虫酸が走る。
良いだろう...貴様らの戯れ合いには殺意が湧いていた所だ。
4体まとめて「闘い」を教えてやる...!」

TO BE CONTINUED...

EPISODE 11

キョウとガオーがヴラドとの試合を始めようとする一方、
サクラとムサシは会場の外で、
暴走アニマギア「ムラマサ」「アビス」「ファントム」の3体と対峙していたのであった。

サクラ「どうしてこんな場所にアナタたちが...」

ファントム「貴様らが『組織』と呼ぶ者達からの命令だ。」

アビス「ムサシちゃんスクラップにされたくなかったら、ボク達についてきてよ。」

訳を説明する事もなく、サクラを連行しようとする暴走アニマギア達。

以前、コノエから暴走アニマギアの出自を聞いた事があったムサシは、
ムラマサ、アビス、ファントムを止めるために立ち向かう。

ムサシ「お前達の過去は知っている。人に捨てられ...迫害され...
組織に思考回路を狂わされたアニマギアだとな。
あまりに酷い話だ...だとするなら俺と共にこい。
人間も悪人だけではない事を知るべきだ。」

ムラマサ「あぁ??こないだボコられた相手に同情か??
カカカッ、戯言ほざいてんじゃねぇ。
哀れんでんのは、俺ら様よ。
その女にいつか捨てられる事も知らずにいるテメェをなぁ。」

ムサシ「くだらん事を言ってないで、こんな事はやめろ。
生憎、妄言を聞く耳は持ち合わせていない。」

ムラマサ「カカカッ、呑気でいいなぁペット共は。嫌でも分かるさ...お前も...いつか必ずな...」

3体同時に襲いかかってくる暴走アニマギアに、戦闘を余儀なくされるムサシ。

ムサシ「逃げろ、サクラ!」

しかし、ムサシを置いて逃げる事ができないサクラは、キョウ達に救援を求めようとするが、
ファントムに搭載された電波妨害装置により、電話と通信を遮断されていた。

二人の様子を見て、邪悪な笑い声を上げる3体の暴走アニマギアが、
容赦なくムサシに襲いかかるのであった。

EPISODE 11

TO BE CONTINUED...

EPISODE 10

バルク&フォータスとの激闘を制したのは、キョウとサクラ達のチームであった。

その後も、ソウヤとコノエによるフォローのおかげもあり、
順調にトーナメントを勝ち進むキョウ達は、ついに決勝戦まで昇り詰めていた。

しかし、休憩時間の合間に席を外したサクラとムサシが、
試合開始時刻になっても戻って来ず、電話も繋がらなくなってしまった。

決勝戦よりも、サクラの事が心配なキョウは、
会場内で大会を辞退する事を表明するのであった。

しかし、決勝戦の相手であるコウモリ型アニマギアの
「ヴラドリリアーク(通称:ヴラド)」がリングの上に立ち、
キョウの決断に対して異論を唱える。

ヴラド「一人欠けた程度で、そう判断を焦る事はない...
そこの少年と白獅子は、あの飛騨ソウヤが鍛え上げた猛者と聞く。
そんな者共を目の前にしているのだ。
いくら気高さを信条としている私でも、些か駄々を捏ねたくなる。」

キョウ「何が言いたい...」

ヴラド「私は一騎打ちを所望しているのだ、少年。」

EPISODE 10

ヴラドの発言に会場内が騒めくが、
タッグマッチ形式の当大会のレギュレーションに反したギアバトルとなり、
正式な試合と認められる事はない。
これはヴラドがキョウとガオーの実力に強い興味があったのと同時に、
決勝試合を楽しみにしていた観客への配慮でもあった。

しかし、キョウは試合よりもサクラの身の安全を確かめる事が
最優先である事に変わりはない事を伝える。

ヴラド「他者を想うキミの心情は承知の上だ。
しかし白獅子よ、キミは違うのだろう。
骨(ボーンフレーム)の髄にまで記憶された闘争本能が...
今の自分(ちから)を確かめたいと叫んでいる筈だ。」

ガオーにとってもサクラは大切な友人であり、
試合をしている状況ではない事は分かっていた。
しかし、目の前にいる強敵との戦いを望む
動物的本能に狩られている自分が心の中にいる事も本当であった。

ガオー「バカ言うんじゃねぇ...サクラが優先だ、キョウ。」

キョウとガオーの様子を見かねたコノエは、
サクラの捜索を自分とソウヤ達で行うと提案。
ソウヤも試合を行う事をキョウに勧める。

ソウヤ「確かめたいんだろ、キョウも。
自分が本当に強くなれたのか。だったら前に進むんだ。」

観客席からも試合を望む声が鳴り響く中、
その言葉を受け、自分の気持ちに思い悩むキョウ。
そして、どこか不安気な眼差しを向けるガオーに向かって、
キョウは返事をするのであった。

キョウ「確かめよう、ガオー。オレ達が今、どこまで来れたのか。」
ガオー「キョウ...!あぁ...負ける訳がない!今のオレと!お前ならッ!」

真っ直ぐな眼差しと言葉を交わすキョウとガオー。

二人の闘争心に再び熱が宿り、
客席からの喝采が鳴り響く中で、最後の試合が始まろうとしていた。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 09

キョウとサクラは特訓を終え、ついに大会の日を迎えた。

今回の大会はタッグトーナメント形式で開催されるため、キョウはサクラとのペアで出場し、
ソウヤとコノエは、セコンドとして二人のサポートに努める事となった。

事前に行われた予選を勝ち抜いていたキョウとサクラの一回戦目の相手は
ゴリラ型アニマギアの「コングバルクラッシャー(通称:バルク)」と
カメ型の「アーモリーフォータス(通称:フォータス)」のペア。

EPISODE 09

バルクとフォータスは、数多くの大会で実績を残しているプロ選手であり、
競技層のアニマギアの大半は特定のパートナーを持たず、
複数の人間の団体によるセコンドで運用されている。

そして今まさに、会場では2対2によるギアバトルが大歓声の中で繰り広げられてた。

フォータス「欲しかったんだよなぁ...デュアライズカブトの剣。
ねーねーボクの持ってる武器と交換しようよ。」
ムサシ「き、緊張感の無いヤツだ...その首とだったら交換してやる。」

ムサシはカスタマイズによって強化されたスピードを活かして、相手の攻撃を巧みに回避し、
ヒットアンドアウェイによる戦法でダメージを与え続けていたが、
フォータスの重硬なニックカウルを突破する程のパワーに欠けており苦戦していた。

一方、その横ではナノ合金同士が激突し合う音が鳴り響いており、
ガオーとバルクによる激しい肉弾戦が熾烈を極めていた。

ガオー「すげぇ馬鹿力だなゴリラ...!さすがにボーンフレームに響くぜ...!」
バルク「そういうキミは両肩のシールドを活用した防御体勢に至るまでの動作が素早い。
パーツの特性を活かした良いカスタマイズだが...それほどのスピードを出す分、
スタミナの消耗も激しいようだね。」

優れた頭脳を持つバルクは、戦いの中でガオーの性能を冷静に分析し、
着実に攻略法を導き出そうとしていた。
どちらか一方を戦闘不能にせねば、この戦況を打開できないと判断したキョウとサクラは、
ガオーとムサシに事前に用意していた指示を出す。

指示を聞いたガオーは節々に装着された「刃」を取り外し、
ムサシは隠し持っていた「十字の形をしたパーツ」に、その「刃」を装着する事で
大型の「手裏剣」を完成させた。

サクラ「甲羅の右側中央にダメージが蓄積されている部分がある!そこを狙って!」

ムサシがフルパワーで投げつけた手裏剣の直撃を受けたフォータスのニックカウルは砕け散り、
ボーンフレームから「戦闘続行不可能」の音声アナウンスが流れ始める。

バルク「息の合った良いチームだ。残念ながら、私達には無いものだね。
フォータス、キミの大切な武装を借りるよ?いいかい?」

フォータス「ふぁい...がんばってねバルク...」

バルクは大きな腕で、足元に四散したニックカウルから武装を拾い、
自身のボーンフレームに装着し始める。

キョウ「最後まで油断するな!ガオー!ムサシ!」

鋼鉄の獣達が睨み合う中、
一回戦目は佳境に入ろうとしていた。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 08

大会まで残り二週間。
コノエの提案により、海で合宿訓練を行う事になった。

特訓の休憩中に、海で遊ぶガオーを写真撮影しようとしたキョウであったが、
誤ってガオーが海に転落してしまう。

溺れているガオーを助けてくれたのは、
この海の救助隊に配備されたヴァリアブルシャーク「レスキュー」というアニマギアだった。

レスキューには、同じヴァリアブルシャークの兄「ハンター」がおり、
かつては同じ救助隊だった兄が、脱隊した後に野良アニマギアとなり、
近頃この海で迷惑行為を続けている事に悩んでいた。

それを知ったキョウとガオーは、救助隊から水中用ニックカウルを借り、
ハンターを止めるためにレスキューと共に海へ向かう。

そして、ハンターを止めるための戦いでレスキューは敗れてしまうが、
特訓の成果を活かしたガオーによって勝利を収める。

EPISODE 08

戦いの後、ハンターが「綺麗な海を汚している人間を退治する」ために戦っていた真実を知り、
やはり救助隊に戻るように説得を試みるが...

「黒色」と「孤独」を愛するハンターの拗らせた性格は一筋縄ではいかず、
救助隊の赤色のニックカウルを断固拒否する事を伝え、その場を去ってしまった。

しかし、初めて兄と全力で戦えた事によって、
兄の事を少しだけ知る事ができたレスキューは、
なんとなく嬉しそうにハンターを見送るのであった。

それから暫くして...海で人助けをする
黒いサメ型アニマギアが噂になったとか...ならなかったとか...

TO BE CONTINUED...

EPISODE 07

ソウヤの指導の元、キョウとガオーは、
研究施設に配備された「デュアライズカブト アーミータイプ」との
スパーリングを行う日々を続けていた。

その裏で、サクラとムサシは、コノエの研究を手伝う形で
新型アニマギア「デヴィジョンニードル(通称:ニー)」との模擬戦を行なっていた。

二人が基礎技術を習得できたと判断したソウヤは、
キョウ達に実戦の経験を積んでもらうため、
来月に開催されるイベント内で行われるギアバトルの大会への出場を提案する。

大会への出場を喜んで快諾したキョウとサクラ。

その後、二人はソウヤのパートナーの「ラプト」との模擬戦の中で、
ガオーは耐久性の低さが、ムサシは機動力の低さが弱点である事を指摘される。

EPISODE 07

弱点をカバーするため、キョウとサクラは、
コノエからヴォルガとニーのニックカウルを貰い受け、
ガオーとムサシを大会仕様にカスタマイズするのであった。

大会まで残り一ヶ月...キョウ達の特訓は続く。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 06

向かった研究施設でソウヤに紹介されたのは、
ガレオストライカーの開発者「三梨 コノエ」という女性と、
そのパートナーの「ヴォルガ」であった。

コノエは以前より、SNSを通じてキョウとガオーの事を知っていたため、
キョウと直接会えた事に喜ぶ。

EPISODE 06

ギロとイーグの修理が進む中、ソウヤとコノエから
推測される『組織』の目的をキョウ達は聞かされる。

それは、ギロとイーグのような優秀なアニマギアを強奪し、
より優れた性能のアニマギアを生み出すために実験と改造を行うという
非人道的なものであった。
そして、過去にソウヤもパートナーを一体奪われた事があった。

暴走アニマギアは、その実験の中で生まれた存在であり、
組織によって、他者のアニマギアを強奪するために運用されていた。

しかし「オニキス」だけは、戦闘時以外は自我が保たれているようで、
自身を改造した組織と敵対しており、暴走アニマギアを倒すために各地に出没し、
ソウヤも過去に何度か遭遇したことがあった。

その事を聞かされたキョウとサクラは、大きなショックと怒りを覚え、
『組織』を打倒するために、ソウヤに協力する事を約束する。

そして、キョウとガオーは強くなるために、
日本代表選手であるソウヤに、自分達の師匠になってもらうよう申し出る。

キョウ達の「アニマギア達を守るため強くなりたい」という
気持ちを受け入れたソウヤは、それを快諾し、
ギアバトルの特訓を始めるのであった。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 05

「オニキス...!」

ムラマサは黒いガレオストライカーをそう呼んだ。
目にも留まらぬ速さでアビスとファントムを蹴散らしたオニキス。

現状の戦力では、オニキスには太刀打ちできないと感知した
暴走アニマギア3体はその場を離脱する。

しかし、激しい戦闘の中で、自身を制御できないまでの興奮状態となり
暴走していたオニキスは、ガオーにも襲いかかってしまう。

オニキスの絶大な戦闘力に為す術もなく、ガオーが完膚なきまでに圧倒されている中、
遠方からの援護射撃がオニキスに直撃する。

ガオーを援護したのは、事態を耳にして、
その場に駆けつけてきた一人の青年と、ヴェロキラプトル型のアニマギアであった。

EPISODE 05

青年と対峙した途端に、オニキスは何故か激しい頭痛で苦しみ始め、
その場を退散するのであった。

サクラは、青年がギアバトル世界大会の
日本代表選手「飛騨 ソウヤ」である事に気づく。

ソウヤは暴走アニマギアを作っている、ある『組織』の正体を追い続けており、
そのために戦っている事をキョウ達に伝える。

傷ついたギロとイーグを修理するため、
ソウヤは自分の知り合いがいるアニマギアの研究施設へ向かう事を勧める。
キョウとサクラ達はそれに同行するのであった。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 04

何者かの手によって凶暴な状態に改造されたアニマギアが
各地に出没し、被害を生み出している事が社会問題となっていた。

それらは全て、獰猛な性格にプログラムが改変され、
ボーンフレームに記録された闘争本能を極限まで引き出されており、
ニックカウルの出力のリミッターが解除されている状態であった。

ある日、キョウとサクラ達が目の前にしたのは、
無惨にも傷つけられたギロとイーグ達の姿だった。

その犯人が、その場にいた「ムラマサ」「アビス」「ファントム」と名乗る
3体の暴走アニマギアである事が判明する。

大切な友達を傷つけられた事が許せないキョウとサクラは、
暴走アニマギアに立ち向かう。

しかし、3対2という不利な戦況に
防戦一方となるガオーとムサシ。

このままではガオーとムサシが「破壊」されてしまう。

だが、絶体絶命となったその状況に、
一体のアニマギアが駆けつけた。

「黒い...ガレオストライカー...!?」

EPISODE 04

TO BE CONTINUED...

EPISODE 03

夏休み真っ最中のキョウとサクラは、
近所で開催されていた花火大会へ一緒に行く約束をしていた。

キョウが待ち合わせ場所に到着するなり、
サクラは、キョウの浴衣姿を少し微笑みながら見つめる。

サクラ「キョウくん、浴衣でもマフラーつけるんだね」

キョウは、野生動物の調査をする父の仕事の都合上、熱帯で生まれ育ったため...
というのも不思議な理由だが、日本に帰郷してからは少しだけ寒がりな所があった。

ガオー「あ、サクラが林檎飴もってる!ねぇキョウ!オレも欲しい!」
キョウ「いいけど、アニマギアはお菓子とか食べないだろー」

キョウにおねだりするガオーの様子を見て、大人びた性格のムサシはやれやれと呆れ果てる。
しかし、ムサシが右手に何か持っている事にガオーは気づいた。

ガオー「いや、お前だってチョコバナナ持ってんじゃねーか!」

吠えるガオーを無視して「そんな事より花火が始まるぞ」と皆を誘導し始めるムサシ。
そのやりとりを笑いながら見守るキョウとサクラ。

いつもと変わらない他愛のないやりとりの中、夜空には大きな花火が広がった。

EPISODE 03

花火を見て楽しそうにはしゃぐキョウとガオー。
その姿を見つめながらサクラは心の中で望んでいた。

いつまでも...みんなと変わらぬ日々を過ごせますように...と。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 02

元気で明るい性格の少年「天草 キョウ」と、そのパートナーであるアニマギアの「ガオー」。
そして、数年前にキョウの隣の家に引っ越してきた少女「紅葉 サクラ」と
パートナーの「ムサシ」は、自分達の日常を撮影した写真を
SNSにアップする遊びを楽しんでいた。

EPISODE 02 EPISODE 02

今日は、とあるアニマギア2体とギアバトルをするために、
近所のカフェで友人達と待ち合わせをしていた。

その2体とは、この近辺では強豪として有名なアニマギア、
血気盛んでバトル好きなアームズギロテッカーの「ギロ」と
自由気ままでマイペースなソニックイーグリットの「イーグ」という。

少年少女とアニマギア達は仲が良く、
変わらぬ日々を楽しく過ごしていた。

そんな日々が、ずっと当たり前のように続いていくのだと、
その頃のキョウは何も疑う事はなかった。

TO BE CONTINUED...

EPISODE 01

20XX年。スポーツの祭典が開かれる中、
新しい次世代型ホビーが発表された...。
新世代バディホビー『アニマギア』。

EPISODE 01

アニマギアは
あらゆる生物の動きが記憶された
超可動汎用フレームの「ボーンフレーム」、
ナノ合金から生成された
アニマギアの装甲「ニックカウル」、
太陽光をアニマギアのエネルギーに変換する
コンバートフィルム「ブラッドステッカー」
の3つのギアを組み合わせて楽しむ
新感覚ホビー。

EPISODE 01

ボーンフレームには
動物の本能を記録したAiが組み込まれており、
アニマギアと人間は
コミュニケーションをとる事ができる。
子供達はそのアニマギアとの絆を深め、
デジタル社会の手助けをしてもらったり、
友達として一緒に過ごしたり、
またアニマギア同士でバトルをして
楽しんでいた...。

EPISODE 01

アニマギアは爆発的に普及し、
デジタル社会で無くてはならない
存在となった。

TO BE CONTINUED...